2023年4月から連系開始!ローカル系統の「ノンファーム型接続」の制度概要原則全ての電源にノンファーム型が適用に(3/4 ページ)

» 2023年03月09日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

ノンファーム再エネ電源の出力制御見通し

 発電事業者が電源新規投資における事業収益性を判断するにあたっては、将来的にどの程度売電できるのか、どの程度出力制御を受けるのか、という予見性は非常に重要である。

 将来的な系統混雑を予測する上で必要となる情報の多くは、一般送配電事業者や広域機関が保有しており、発電事業者等が出力制御のシミュレーションを行うためには、これらの情報を適切に公開・開示していく必要がある。

 このため、基幹系統に関する情報の公開・開示に倣い、ローカル系統についても基幹系統と同様の項目を公開・開示することとした。ただし、ローカル系統には「供給計画」が無いなどの違いがあるため、表3のように、一定の予想値等により補うこととする。

表3.ローカル系統における需要・送配電に関する情報の公開 出所:再エネ大量導入小委

 また、これら広く一般に「公開」する情報のほか、特定事業者からの請求を受けて個別に「開示」する情報についても、基幹系統と同様の項目とする。ただし、配電用変電所以下に接続する電源の情報については、費用対効果の観点から、個別電源ではなく、電源種別ごと(太陽光、風力、その他電源等)の合計容量を開示する。

 このように、適切な情報を入手した発電事業者自らが、出力制御のシミュレーションを行うことが原則であると考えられる(もしくは、専門の業者による分析代行受託)。

 他方、需給バランス制約による出力制御については、すでに系統WGにおいて、一般送配電事業者のシミュレーションによる再エネ出力制御の見通しを定期的に報告している。

 よって、これに倣い、一定の前提条件を置いた簡易的な手法に基づく、系統制約による出力制御の見通しとして、一般送配電事業者による試算値を示すこととした。

なお発電事業者であれば、出力制御の少ない系統に接続したいと考えるはずである。よって、この試算値が公表されれば、混雑見込み系統を避けることにより、実際の混雑は変わっていくことも予想される。

図6.将来の系統潮流の簡易的な算定イメージ 出所:広域系統整備委員会

 この長期的な系統混雑・出力制御の見込みとは別に、透明性確保の観点から、系統制約出力制御が予想される前日段階の見通しおよびその実績について、情報を公表する予定としている。

表4.系統制約出力制御 前日見通し・実績の公表情報 出所:系統WG

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