火力発電所にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を導入、積水化学とJERAが実証太陽光

積水化学工業とJERAが、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を火力発電所に設置するための共同実証実験を開始。火力発電所を対象としたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証試験は、日本初の事例だという。

» 2023年03月29日 15時50分 公開
[スマートジャパン]

 積水化学工業とJERAは、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を火力発電所に設置するための共同実証実験を2023年3月24日から開始した。火力発電所を対象としたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証試験は、日本初の事例だという。

 フィルム型のペロブスカイト太陽電池は、軽量かつ柔軟という特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面といった、さまざまな場所に設置できる。また、塗布などによる連続生産が可能であること、レアメタルを必要としないなどのメリットがあり、次世代の太陽電池として今後の普及が期待されている。

 JERAでは、2050年には事業によるCO2排出を実質ゼロにする目標を掲げており、2025年には、自社保有の再エネの発電容量を5GWとする計画を立てている。同社は全国26カ所に火力発電所を保有しており、これらの資産を活用した再エネの導入拡大を目的に、今回フィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入実証を決めたという。

横須賀火力発電所に導入したペロブスカイト太陽電池 出典:積水化学工業

 実証ではJERAの横須賀火力発電所に、積水化学工業が開発したペロブスカイト太陽電池を導入。導入容量は小規模で、発電性能の確認などを行うという。

 JERAと積水化学工業では、今回の実証を通じてフィルム型ペロブスカイト太陽電池の発電性能だけでなく、発電所建屋の軽量屋根や壁面などへの設置方法の検証と各種法規制への対応を進め、小面積での設置・課題検証を経て、2025年以降に横須賀火力発電所への大規模設置を目指す方針だ。

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