太陽光パネルの最大限のリデュース・リユースを進めながらも、最終的には、リサイクルや廃棄へと至る。太陽光発電協会(JPEA)では、リデュース・リユース後には全量リサイクルすることを原則として、廃棄(埋立処分)は例外的なものに留めるよう、検討を進めている。
太陽光パネルを構成するジャンクションボックス(銅線含む)とアルミフレームは、取り外しが容易であり、その分離後、銅やアルミ材料としてリサイクルされる。
ガラス/セル/EVA(封止材)は、ガラスとそれ以外の部分に分離後、それぞれ材料リサイクルされるが、ガラスとそれ以外の部分に分離する技術の開発が進められている。
太陽電池パネル(結晶系シリコン)の構成は、ガラスとアルミフレームが重量比で全体の約8割を占めている。アルミフレームと、ジャンクションボックスにつながる銅線、および少量の銀は、有価物として再利用されるが、重量比で6割以上を占めるガラスに関しては、大量廃棄時の再利用先の開拓が必要と考えられている。
結晶シリコン系パネルは、ほぼすべてのパネルリサイクル事業者において処理が可能であるのに対して、化合物系(CIS系、CdTe系)パネルについては、必要となる設備や後工程が異なるため、リサイクル事業者によって対応状況が異なる。
JPEAでは、2017年に「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン」を策定し、環境負荷が懸念される化学物質(鉛・カドミウム・ヒ素・セレン)の含有について、太陽光パネルメーカー等に対して情報提供を要請している、現在、これに賛同し、自主的に情報公開するメーカー/輸入事業者は、33社に上る。
また、太陽光パネルのリサイクルが可能な産業廃棄物中間処理業者のリストをJPEAホームページに掲載しており、事業者数は2023年7月現在で38社に上る。
2023年4月末現在、国内では20,000件を超える太陽光パネルの型式が登録されている。FIT/FIP制度においては、変換効率等一定の基準を満たすパネルの使用が求められており、パネルメーカー等はパネルの型式を国のデータベースに登録し、発電事業者は公開された型式登録リストからパネルを選択し、FIT/FIP認定の申請を行っている。
現在、この型式登録においては、仕様書等の提出が求められているが、含有物質情報は求められていない。
JPEAでは、今後新規に型式登録するパネルについては、メーカー等に対して含有物質情報の提供を求め、同じデータベース上で管理することを提案している。これにより、発電事業者等(廃棄時のパネル排出事業者)が、その情報を型式から検索できるシステムが構築可能となる。また、過去に登録済みのパネルについては、メーカー等が含有物質情報を自主的にデータベースに追加登録できる機能とする。
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