現在はまだリサイクルされる量が少ないこともあり、リサイクル費用が埋立処分費用を上回り、コスト面から廃棄に至る事例も散見される。太陽電池モジュールは電気機械器具に該当するため、埋立処分をする場合には、浸出液の処理設備を備えた管理型最終処分場への埋立が必要となる。
廃棄物の受け入れから埋立処分までの基本的流れは以下のとおりである。
これらの確認後、当該処分場への搬入可否を決定する。
なお、管理型埋立処分場へ直接搬出するのではなく、発電所から一旦中間処理施設へ搬入し、アルミ・ガラス等を分離した後、廃プラ部分を約15cm以下に剪断し、剪断された部分のみを管理型埋立処分へ搬入し、埋立処分する。
管理型最終処分場の受入基準において「廃プラ類は概ね15cm以下に」という規定があるため、剪断工程が必須とされている。剪断は解体重機ではなく、専用の機械が必要となる。
国内での最終処分地の新設は困難であり、処分可能容量は限られた「資源」であるため、安易な埋立処分は行わず、可能な限り、3Rを進めることが重要である。
太陽光発電の長期稼働やパネルの循環システムを構築するためには、幅広い関係者が連携し、課題を解決していくことが重要である。
このためJPEAでは、国や自治体が主導するかたちで、太陽光発電に関係するあらゆるステークホルダー(発電事業者、撤去・排出者、リユース事業者、運搬事業者、中間処理事業者、再生品利用者、最終処分事業者、メーカー・輸入販売事業者、業界団体等)で構成する、新たな「プラットフォーム」を立ち上げることを提案している。
プラットフォームでは、パネル排出量の少ない2020年代は、公的支援によりリサイクルを促進し、2030年代のパネル大量排出時までに、廃棄物処理法などの下で自律的なビジネスとしてリサイクルが実施されることを目標としている。
JPEAでは、特にリサイクルを行う事業者へのインセンティブ付与や規制緩和が、循環型社会の形成に不可欠な技術を有するリサイクル事業者の参画の促進に有効である、と提言している。
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