また、グリーン成長戦略においても洋上風力産業は重点分野の一つとして位置づけられており、グリーンイノベーション基金(GI基金)事業の「『洋上風力発電の低コスト化』プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画」では、上記ロードマップのうち、技術成熟度(TRL)が比較的低く(TRL:4〜6程度)、長期の支援が必要となる分野として、「風車」「浮体式基礎製造」「浮体式設置」「電気システム」「運転保守」の5分野を重点的に支援している。
本計画では、2030年までに一定条件下(風況等)で、着床式では発電コスト8〜9円/kWh、浮体式では国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術を確立すること、を研究開発の目標としている。
現在、GI基金を活用した浮体式洋上風力の要素技術開発(フェーズ1)を実施中であり、今後、フェーズ2として、国内の海域を活用した浮体式洋上風力の実証事業を実施予定である。さらに、大深度対応や大量生産等に係るコスト低減については、国内事業者による協調だけでなく、2023年にLOI(基本合意書)を締結したデンマーク等とも連携し、世界市場を意識した国際標準等の実現に向けた技術開発等を実施していく予定としている。
洋上風力発電事業の開発・実施においては、技術面のみならず、ファイナンスや法務を含めた幅広い専門的人材が必要とされる。このため国は、洋上風力の事業開発を担う人材、エンジニア、専門作業員の育成に向けて、カリキュラム作成やトレーニング施設整備に係る支援を2022年度から実施しており、再エネ導入拡大やサプライチェーン構築に必要な人材育成・獲得を計画的に推進すべく、「再エネ人材育成戦略」の策定に向けて、検討を進めていく予定としている。
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