太陽光発電のコスト動向が公表、FITに「ペロブスカイト区分」を創設する新案も太陽光(2/5 ページ)

» 2024年01月12日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

事業用太陽光のシステム費用のトップランナー分析

 調達価格等算定委員会では、費用効率的な事業実施を促していく観点から、太陽光の運転開始期限が3年間であることを踏まえ、足元のトップランナー水準が、3年後にどの程度の水準に位置するかに着目して、システム費用の想定値を設定してきた。

表2.事業用・地上設置のシステム費用トップランナー分析 出典:調達価格等算定委員会

 事業用・地上設置のシステム費用については、表2のとおり、2023年設置の中央値(16.65万円/kW)と同程度であるのは、2018年設置では上位15%、2019年設置では上位23%、2020年設置では上位38%における、3年後の中央値であることが分かった。

 しかしながら、もしこれら3カ年の平均値25%を2025年度向けのトップランナー水準とする場合、2024年度単価の想定値を上回る(結果として、調達価格・基準価格が2024年度よりも上昇する)こととなってしまう。

 ただし、2020年実績値については、モジュール価格の一時的な上昇が含まれており、足元ではモジュール価格が再び低下傾向にあることに留意が必要である。

 このため、委員会では、2025年度の地上設置太陽光の想定値については、2024年の想定値(50kW以上:11.3万円/kW、10-50kW:17.8万円/kW)を据え置くこととした。屋根設置太陽光のシステム費用についても同様に、2024年度想定値を据え置く。

事業用太陽光の土地造成費

 事業用太陽光の土地造成費について、2023年設置案件の定期報告データを分析すると、地上設置ではその3割強が土地造成費ゼロであるなど、費用実績値が幅広く分布しているため、平均値ではなく、中央値に着目することとした。

表3.事業用太陽光 土地造成費の実績 出典:調達価格等算定委員会

 よって、地上設置では2025年度の想定値を0.9万円/kWとして、2024年度の想定値1.2万円/kWから引き下げることとした。屋根設置では0万円/kWがそのまま据え置かれる。

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