EV用充電器は、普通充電器(3〜6kW)と急速充電器(50kW以上)に大別され、送配電ネットワークへの影響という観点では、最大需要の大きい急速充電器の動向に着目する必要がある。
現在、公共用の充電設備3万基のうち、9,612基が急速充電器であるが、国の「充電インフラ整備促進に向けた指針」においては、2030年までに公共用急速充電器3万口を含む30万口を設置することを目標としている。
急速充電器の出力も様々であるが、1口50kWと仮定するならば、50kW×3万口=150万kWの電力需要が生じることとなる。なお、EVを急速充電器で充電した場合、充電し始めた直後に充電出力が最も高くなり、その後、緩やかに出力が低下していく傾向にあることが報告されており、EV1台あたりの急速充電器による高出力は、比較的短時間である。
系統用蓄電池は、ここ1〜2年で急速に導入が拡大しており、全国での接続検討受付が約1,200万kW、契約申込が約112万kWとなっている。また、2023年度から長期脱炭素電源オークションが開始され、初回オークションの蓄電池・揚水式水力の募集上限は100万kWである。
ただし、広域機関「全国及び供給区域ごとの需要想定(2024年版)」では、蓄電池による具体的な需要は記述されておらず、2023年度供給計画(2023年3月公表)において、2032年度時点で23万kWが想定されているのみである。
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