太陽光×蓄電池の連携を強化しAIも活用、ファーウェイが住宅用パワコンの新モデル太陽光(1/2 ページ)

ファーウェイの住宅用パワーコンディショナに新機種が登場。MPPT数が増え、蓄電池との連携も強化した。AIを駆使した新たなエネマネシステムも投入し、運用面でもパフォーマンス向上も支援するという。

» 2024年03月12日 07時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]

 ファーウェイは「PV EXPO 国際太陽光発電展」(東京ビッグサイト、2024年2月28日〜3月1日)に出展し、新しい住宅用ハイブリッドパワーコンディショナー「SUN2000-4.95K-LB0-NH」を披露した。同製品は住宅用蓄電システムソリューションの中核を成すものであり、発電側と蓄電側それぞれのパフォーマンスをこれまで以上に引き出し、生かし切ることを可能にするという。2024年6月より販売を開始する。

MPPT数が増加、パワコン2台での連携自立運転も可能に

 従来機種からの進化点は多岐にわたるが、まずMPPT数(入力回路数)が2回路から3回路に増えたことが注目される。方角や傾斜や影など条件の異なる3つの屋根面を個別に制御できるため、全体の発電効率が向上するとともに、建物の形状や周囲の環境に合わせたより柔軟なパネル配置が可能となる。これにより、設置スペースの限られた住宅でも発電量の増大を図ることができる。

新型の住宅用ハイブリッドパワコン「SUN2000-4.95K-LB0-NH」

 蓄電池との連携については、このパワーコンディショナー1台につき、2台の同社製蓄電池「LUNA2000(5kWh/10kWh/15kWh)」と連携できるようになっている。さらに、パワーコンディショナー自体も2台の並列運転が可能であり、それぞれに2台ずつ最大30kWhの蓄電池を接続できる。電力使用量の多い二世帯住宅や店舗など、大容量の発電・蓄電システムを求めるユーザーには嬉しいところだろう。

 これまでは太陽光パネルがたくさんあっても、パワーコンディショナーが分かれていると自立運転時に並列活用できないという制約があった。この課題を解決したパワーコンディショナーは、ファーウェイによると日本初だという。自立運転時にも2台のパワーコンディショナをフル活用できるので、災害時の非常用電源としても心強い。

 また、この新型パワーコンディショナーには「スマートロガー」が内蔵されている。スマートロガーは太陽光発電システムのデータ収集装置であり、遠隔監視になくてはならないものだ。従来はパワーコンディショナーと別に設置する必要があったが、新型パワーコンディショナならその必要はない。ユーザーにとっては壁面をすっきりさせることができ、設置業者にとっては導入時の手間を大幅に省くことができるというわけだ。

 安全性に関しては、従来機種から評価の高かったAFCI機能を搭載。この機能は、太陽光発電システムの火災原因として最も多いアーク放電を瞬時に検出し、検出後0.5秒以内に遮断して安全を確保するというもの。ここには、膨大な試験から得たアーク発生のビッグデータと、AIやニューラルネットワーク技術が生かされているという。

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