ファーウェイでは、同パワーコンディショナーの発売に合わせて、住宅向けスマートPVエネルギー管理サービス「EMMA(エマ)」の提供も開始する。EMMAとは「Energy Management Assistant」の略であり、AIを駆使して太陽光発電と蓄電池の最適制御をサポートするサービスだ。
EMMAは、地域の気象情報やユーザー家庭の電力使用状況・過去の運転データなどに基づいて、発電量と消費電力を正確に予測する。そして、その予測と機器構成、蓄電池残量などを元に充放電のスケジュールを自動生成し、住宅用蓄電システムの最適運用を実現するという。これまでは、一定の時間帯に充放電を繰り返すことを基本に、設定変更はその都度ユーザーが行わなければならなかった。しかし、EMMAは人の手と頭をわずらわせることなく、日々異なる最適な設定を自動で行ってくれるのだ。
以前からファーウェイは、太陽光発電と蓄電池の状況、消費電力などをスマートフォンでチェックできる「Fusion Solarアプリ」を提供しているが、EMMAはこのアプリと連携して機能する。ユーザーは、最適設定・最適制御の効果を、手元で簡単に確認することができる。
ファーウェイの住宅用蓄電システムソリューションには、オプティマイザーも用意されている。今回、パワーコンディショナーと蓄電池とともに展示されたのは、スマートパネルオプティマイザー「SUN2000-600W-P」。2023年に発売された製品であり、それまでの機種では定格の直流入力電力が450Wだったのに対し、同製品は600Wにアップされている。
これは、同オプティマイザーが600Wの高出力パネルに対応することを意味する。高出力化が競われている最新の住宅向け太陽光パネルに対しても、十分なポテンシャルだ。さらに、産業用パワコンに対応した1300Wのオプティマイザーもリリースされており、工場向けの次世代・大型パネルにも余裕で対応することができるだろう。オプティマイザーには複数の利点があり、欧州などで導入拡大が進んでいるという。
オプティマイザーを設置すれば、パネルごとの最適化により、影などの影響を最小限に抑え、発電システム全体の能力を最大限に発揮させることが可能となる。火災の発生を瞬時に検知し、通電を遮断するラピッドシャットダウン機能もついているので、安全面のリスクを減らすことにも直結する。パワーコンディショナー自体のマルチMPPTやAFCI機能とも相まって、発電性能と防災性能の極めて高いシステムを構築することができるのだ。
なお、ファーウェイの住宅用蓄電システムは蓄電容量5kWhの電池パックを複数連結することで構成されており、パワーコンディショナー1台当たり5〜30kWhまでの蓄電システムが組めるようになっている。ファーウェイは2025年にパワーコンディショナーとDCリンクで接続するV2Hユニットの発売も計画しており、システムの拡張性についても力を入れていく方針だ。
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