長期AXでは、容量市場メインオークションとは異なり、具体的な落札電源の事業者名・落札案件名・電源種・落札容量が一覧で公開されているため、広域機関が作成したグラフに加え、若干の補足集計を行った。
まず、LNG専焼火力について、落札電源10件576万kWをエリア別・新設/リプレース別に集計したものが、図6である。LNG専焼の新設は5件・約290万kW、リプレースは5件・約285万kWに上る。なお、沖縄エリアは、容量市場のメインオークション・長期AXいずれも対象外である。
次に、脱炭素電源について、エリア別・発電方式別に集計したものが、図7である。東京・四国エリアでは、脱炭素電源の落札が無いことが分かる。
2023年度の容量市場メインオークション(実需給年度:2027年度)では1億6,745万kWの電源等が約定しており、経過措置を反映した約定総額は1兆3,140億円に上る。
これに、今回の長期AXのうち実需給2027年度における実質的な容量拠出金(他市場収益の還付額控除後)を加えたものが表4である。
なお、実需給2028年度向け以降のメインオークションにおいては、長期AXで落札された容量を控除してメインオークションを行うことになるため、年度を経るに従い、次第に長期AXの比率が高まることとなる。
長期AXでは、水素・アンモニア混焼のための新規投資(新設・リプレース/改修)については、長期AX入札時点において、対象電源の2050年に向けた脱炭素化へのロードマップの提出を求めており、2024年7月末頃に公表予定としている。
ロードマップでは、水素・アンモニアを専焼化していく方法に限定するものではなく、CCSやバイオマス等の脱炭素技術によって、電源全体を脱炭素化していくことが求められる。合理的な理由なくロードマップの実現への取組みを行わない場合は、重大な違反行為に該当し、契約が解除される。
国内既存の約1.2億kWの化石電源を全て脱炭素電源に置き換えていくためには、年平均で600万kW程度の導入が必要であるが、今後の技術革新に期待して、長期AXの初期段階における募集量は「スモールスタート」とされた。今後は次第に、長期AXの募集量を増やす方針とされている。
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