初開催の「長期脱炭素電源オークション」の結果が公表、蓄電池は30件・109万kWの落札にエネルギー管理(3/3 ページ)

» 2024年05月09日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]
前のページへ 1|2|3       

エリア別に見た落札電源内訳の集計

 長期AXでは、容量市場メインオークションとは異なり、具体的な落札電源の事業者名・落札案件名・電源種・落札容量が一覧で公開されているため、広域機関が作成したグラフに加え、若干の補足集計を行った。

 まず、LNG専焼火力について、落札電源10件576万kWをエリア別・新設/リプレース別に集計したものが、図6である。LNG専焼の新設は5件・約290万kW、リプレースは5件・約285万kWに上る。なお、沖縄エリアは、容量市場のメインオークション・長期AXいずれも対象外である。

図6.LNG専焼火力約定結果(エリア別・新設/リプレース別) 出典:広域機関を基に筆者作成

 次に、脱炭素電源について、エリア別・発電方式別に集計したものが、図7である。東京・四国エリアでは、脱炭素電源の落札が無いことが分かる。

図7.脱炭素電源約定結果(エリア別・発電方式別) 出典:広域機関を基に筆者作成

実需給2027年度向け容量市場メインオークションとの関係

 2023年度の容量市場メインオークション(実需給年度:2027年度)では1億6,745万kWの電源等が約定しており、経過措置を反映した約定総額は1兆3,140億円に上る。

 これに、今回の長期AXのうち実需給2027年度における実質的な容量拠出金(他市場収益の還付額控除後)を加えたものが表4である。

 なお、実需給2028年度向け以降のメインオークションにおいては、長期AXで落札された容量を控除してメインオークションを行うことになるため、年度を経るに従い、次第に長期AXの比率が高まることとなる。

表4.実需給2027年度の容量拠出金試算(メインAX+長期AX) 出典:広域機関

今後の脱炭素化ロードマップ公表

 長期AXでは、水素・アンモニア混焼のための新規投資(新設・リプレース/改修)については、長期AX入札時点において、対象電源の2050年に向けた脱炭素化へのロードマップの提出を求めており、2024年7月末頃に公表予定としている。

 ロードマップでは、水素・アンモニアを専焼化していく方法に限定するものではなく、CCSやバイオマス等の脱炭素技術によって、電源全体を脱炭素化していくことが求められる。合理的な理由なくロードマップの実現への取組みを行わない場合は、重大な違反行為に該当し、契約が解除される。

図8.脱炭素化ロードマップのイメージ 出典:制度検討作業部会

 国内既存の約1.2億kWの化石電源を全て脱炭素電源に置き換えていくためには、年平均で600万kW程度の導入が必要であるが、今後の技術革新に期待して、長期AXの初期段階における募集量は「スモールスタート」とされた。今後は次第に、長期AXの募集量を増やす方針とされている。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
あなたにおすすめの記事PR