PVを電力市場へ統合するとともに、系統制約を克服するためには、FIT電源のFIPへの移行と蓄電池の併設を促すことが重要となる。
現在、FIP移行後の事後的蓄電池併設時の価格変更については、積載率(太陽電池出力÷PCS出力)を基準として算定されるが、この算定方法の場合、FIP基準価格が大きく下がり事業者の収益が下がるため、FIP移行・蓄電池併設が進まない一因となっている。
このためJPEAでは、蓄電池の併設によって「実際に増加が見込まれる発電量を基準とする」算定方法に変更することを提案している。
JPEAでは、2050年の1年間に発生する太陽光発電産業の経済活動を対象として分析を行ったところ、全体で生産誘発額は約6.4兆円、雇用誘発数は約51.3万人との結果であった。資本費相当分(調査・開発、パネル・周辺設備、設置工事)は、2050年における新規導入量(20GW)を対象として、生産誘発額は約3.9兆円、雇用誘発数は約28万人、O&M(運転維持費相当分)は、2050年時点における累積導入量(400GW)を対象として、生産誘発額は約2.3兆円、雇用誘発数は約22万人となった。
これらの経済波及効果は、首都圏や一部地域に集中するものではなく、全国各地の経済成長と新規雇用に結びつく内需誘発型であると考えられている。
また、太陽光導入による化石燃料等の削減効果は2050年で6.8兆円に上り、太陽光パネル等の輸入額を大きく上回る純便益があると試算されている。試算には、IEAのWorld Energy Outlook 2023/APSシナリオの想定値を採用している。
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