容量市場において、市場支配力を有する事業者が正当な理由なく、「売り惜しみ」や「価格吊り上げ」を行い、本来形成される約定価格よりも高い約定価格となる場合には、小売電気事業者が支払うべき容量拠出金の額が増加し、ひいては電気の使用者の利益を阻害するおそれがある。このため、電力・ガス取引監視等委員会は「容量市場における入札ガイドライン」に基づき、オークションの「事前監視」と「事後監視」を実施している。
ただし追加オークションは、メインオークションと比較して市場規模が小さいため、追加オークションに応札する全ての事業者が市場支配力を有するとみなしている。
今回、「売り惜しみ」の事前監視において、電源差替予定を理由として応札しない電源が見つかったため、当該電源に対して応札することを求めた。また「売り惜しみ」事後監視において、追加オークションに応札しなかった電源及び期待容量を下回る容量で応札された電源について、理由の説明と根拠資料の提出を求めたところ、問題となる事例は確認されなかった。
また、「価格吊り上げ」事後監視において、「電源を維持するために容量市場から回収が必要な金額」を上回る価格で応札した発動指令電源に対して、応札価格の是正指示が行われた。今後、デマンドレスポンス等の発動指令電源における維持管理コストについては、明確化のため、容量市場入札ガイドラインを改定することとした。
需給調整市場で揚水発電所からの応札はなぜ少ない? 対応策を検討へ
再エネ大量導入の時代、地域間連系線・地内送電線の運用容量はどうなるのか?
2030年の導入目標は達成可能か 風力・中小水力・バイオマス発電の現状と見通しCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10