「GX2040ビジョン」の策定に向けた論点――国力を左右するエネルギーの将来戦略第12回「GX実行会議」(3/5 ページ)

» 2024年09月06日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

フレームワークII.GX産業構造

論点5.経済安全保障の要請も踏まえたGXとDXによるサプライチェーン強化

 経済への波及効果の大きさ・経済安全保障の要請から、ものづくり産業の役割を見直す動きが世界的に顕在化している。経済安全保障上の重要な製品等を他国に依存しないためにも、鉄鋼や化学等のGX素材から、半導体等の重要物品、クリーンエネルギー、完成車等のGX製品に至る、フルセットの「GX型サプライチェーン」を維持発展させることが必要である。

 また、コモディティ化していく製品から高付加価値で利益率の高い分野への移行も必要であり、GX・DXを機会として、同分野での「技術リーダー」となれば価格決定力を確保し、市場シェアと利益を確保し成長に繋げられる可能性がある。日本企業が生み出した製品・サービスが必要だという依存関係を生み出すことは、日本の経済安全保障の向上に資する可能性もある。

図6.主要先端製品・部材の売上高と世界シェア 出典:GX実行会議

論点6.GXとDXの同時進展(産業の生産性向上・経済成長をもたらすAIの社会実装)

 データセンター・半導体におけるエネルギー効率改善を加速するなど産業の生産性を向上させるためには、AIを活用することが有益である。同時に、AIの基盤となるデータセンターの国内整備を進めることが重要である。

論点7.技術・ビジネス・スケールの3つの要素を最大化したイノベーション創出

 GX技術とDXを組み合わせた収益性の高いビジネスモデルを構築し、それらをグローバル規模に成長させるための仕組みや支援の在り方の検討を加速する。海外を含めた学術機関との連携や、大企業とスタートアップとの協業を支援する。

図7.日本独自のエコシステム形成とGXによる経済成長の実現 出典:GX実行会議

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