高度化法義務達成市場では非FIT証書が取引されており、非FIT証書には「再エネ指定あり」と「再エネ指定なし」の2種類がある。
同市場の2024年度第1回オークション(8月29日)において、「再エネ指定あり」非FIT証書の約定量は約17億kWhとなり、2023年度第1回オークション(以下、前年同期)と比べると3倍近く増加した。
他方、「再エネ指定なし」非FIT証書の約定量(8月28日)はわずか2.6億kWhに留まり、前年同期(約113億kWh)と比べると約98%の減少となった。これは、2023年度第1回は、証書の需給が逼迫した高度化法第1フェーズ後の最初のオークションであり、買い手の応札量が一時的に高まったことが理由と考えられる。
約定価格は、再エネ指定あり/なしのいずれも、従来と同じく最低価格(0.6円/kWh)と同額であった。入札会員数は、再エネ指定なしでは2023年第4回オークションと同数の11社であるが、再エネ指定ありでは35社と、2023年度と比べ増加傾向にある。
なお、非FIT証書の調達はこれまでも相対取引が中心である。高度化法の目標量増加を背景に、非FIT証書の取引量全体は増加傾向にあるものの、その市場取引量に明確な傾向はみられず、市場取引は相対取引の補完的な意味合いが強いと考えられる。
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