次世代型地熱は、国内でもさまざまな技術の実証試験が行われてきたが、海外では政府機関やベンチャー企業等による早期の事業化が目指されている。
シェールオイル・ガスの開発が盛んな米国では、同技術を用いたEGS等による次世代型地熱の開発が進められており、米国エネルギー省(DOE)の「Pathways to Commercial Liftoff: Next-Generation Geothermal Power」では、EGSの発電コストを2035年までに90%削減し、$45/MWh(約6.7円/kWh)とすることを目標としている。また次世代型地熱によって、米国の現状3GWの地熱発電容量が、2050年までに90GW以上に拡大し得ると推計している。
欧州では、ドイツにおいて商用のクローズドループ型の地熱施設の建設に取り組むEavor社に対して、欧州投資銀行やEUイノベーション基金が支援しているほか、アイスランドでは、官民のコンソシーアムが超臨界地熱に取り組み、2017年には超臨界状態で存在する地熱流体を世界で初めて確認している。
国は、さまざまな選択肢がある次世代型地熱を計画的、合理的に技術開発・支援するため、「次世代型地熱ロードマップ」を策定した。ロードマップは、社会コストを最小限にしつつ、我が国の地熱事業の健全な発展とエネルギー安定供給確保やカーボンニュートラル達成に寄与することを目的としている。
国は次世代型地熱の導入拡大を目指し、NEDOやJOGMECを通じた技術開発を行い、関連基金やJOGMECによる助成・債務保証・出資を通じた事業者の先進的取組を支援する。
また、次世代型地熱の事業化に向けては、民間企業の投資を呼び込む体制構築が不可欠であり、国の全面的な支援による技術の実証やコスト削減等の初期リスクの低減策、期待される展望を整理することが求められる。これらの議論を加速するため、「次世代型地熱技術の事業化に向けた官民協議会(仮称)」を設立し、同協議会の下に、EGS等の次世代技術に対応した複数のWGを設置する予定である。
同協議会・WGにおいて、米国のような具体的なコスト目標・導入量目標を策定することが期待される。
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