電力需給バランスへの貢献という点における公平性を確保するため、優先給電ルールに基づく再エネ電源の出力制御の順番を、FIT電源→FIP電源の順に変更することが予定されている(一般送配電事業者の制御システム改修時期の違いにより、2026年度又は2027年度に運用開始予定)。
これまでエネ庁では、この変更による出力制御量のごく簡易的な試算を行ってきたが、今回、エリアごとに太陽光・風力別の出力制御率が公表された。表4は、「再エネ1.3倍&需要1.1倍」のケースにおいて、全体のFIP比率を25%と仮定した試算である。本来、FIP電源は発電(供給)を時間シフトすることが期待される電源であり、出力制御量のさらなる抑制も想定されるが、本試算ではFIP電源の供給シフトは反映していない。
北海道や東北エリアなどでは、FIT電源とFIP電源の出力制御率の違いは非常に大きく、早期のFIP移行が期待される。
再エネ出力制御の低減や、調整力提供が期待される系統用蓄電池であるが、2024年9月末時点において連系済みが約10万kWに対して、接続検討は約8,800万kW、接続契約は約620万kWと、その受付量が急増している。
充放電双方の潮流を伴う蓄電池では、逆潮流(発電)側についてはノンファーム型接続の適用により速やかに系統接続可能であるが、順潮流(充電)側の系統空き容量不足により、系統接続できない事態が生じていた。
これまでも、単一系統事故時のN-1充電停止装置の導入による運用容量の増加といった早期連系対策が取られてきたものの、一部の系統ではこうした対策を行ってもなお順潮流側の運用容量を超える接続検討が出てきている。
このため、早期連系のための暫定措置として、特定の時間帯における充電制限に同意する場合には、系統増強することなく系統接続を認める対策(早期連系追加対策)を導入することとした。なお、新たな早期連系追加対策は、既存対策(N-1充電停止装置等)を適用してもなお系統増強が必要な場合に限定して暫定的に適用するものであり、将来的に系統用蓄電池の順潮流側の接続ルール等が変更された場合は、そのルールに従うことを求める。
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