電力の需給状況に応じ、需要側リソースの電力消費を制御するデマンドレスポンス(DR)。家庭などにある機器のDR対応を検討する資源エネルギー庁の「DRready勉強会」で、家庭用蓄電池に関する要件の検討が始まった。
変動性再エネ電源を活用しながら、電力の安定供給を確保するため、需要側リソースを活用したデマンドレスポンス(DR)の拡大が求められている。ヒートポンプ給湯器や蓄電池等、特に家庭部門で使用される大量の小規模リソースをDRに活用するためには、それらの機器があらかじめ一定の通信接続機能や外部制御機能等を具備していることが重要となる。特に蓄電池は、充放電による「上げDR」「下げDR」の双方を高速に実施可能なリソースであり、今後も導入拡大が期待されている。
このため、資源エネルギー庁は「DR ready勉強会」の第4回会合において、家庭用蓄電池のDR ready要件に関する検討を実施した。
主に家庭を対象とした小型の系統連系型蓄電システム(以下、家庭用蓄電システム)の国内出荷台数は近年増加傾向にあり、累計出荷台数(ストック台数)は約90万台と推計されている。
家庭用蓄電システムには、蓄電池とパワーコンディショナー(PCS)で構成した「シングル型蓄電システム」と、太陽光発電やEV等を組み合わせた「マルチ入力型蓄電システム」の2つのタイプがあり、近年では図1のように、8割以上がマルチ入力型となっている。
太陽光発電を併設するマルチ入力型の場合、家庭用蓄電システムの運転モードは、太陽光発電の電力を自家消費することを優先する「自家消費優先モード」と、太陽光発電の電力を売電することを優先する「売電優先モード」に大別される。
ただし、FIT売電価格の低下(10kW未満太陽光2024年度:16円/kWh)により、現在では蓄電システムを新規導入するユーザーの大半が自家消費優先モードを選択しており、今後も同様であると考えられる。
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