間接送電権の年間商品は、長期の卸取引やベースロード市場等のエリア間取引のスケジュールを考慮した上で、取引(オークション)のタイミングを設定することが望ましい。
翌年度を対象とした相対卸取引では、9月頃に旧一般電気事業者による卸販売入札や販売交渉などが本格化し、2月頃にはBL市場での約定も含め、買い手の調達計画はほぼ完了すると言われている。
9月に間接送電権の年間商品を入札する場合、早期にエリア間値差の固定化が可能となるほか、間接送電権の約定価格がエリア間値差を示す指標の一つとなることにより、卸取引の総合的な経済性を判断しやすくなるというメリットもある。また、2月に年間商品を入札する場合、9月時点では翌年度の需給計画が固まっていなかった事業者など、多くの買い手が入札に参加可能となる。
検討会では、事業者へのヒアリング等を踏まえ、年間商品は年に2回、9月と2月のタイミングでオークションを実施することとした。ただし、年間商品の取り引きが2回に分散することは、各回の発行量を減少させるデメリットがあるほか、参加者が減少することにより競争が限定的となり得ることには留意が必要である。
また、間接送電権年間商品の発行が年2回となったことにより、各回の発行量を検討する必要がある。9月時点では値差ヘッジ必要量が未確定のため、オークションに参加可能な事業者は相対的に少ないと予想されることや、取り引きのタイミングが早いほど、連系線の空容量減少リスクは高まると考えられる。
よって、年間商品の発行量については、まずは9月に4分の1(25%)、2月に4分の3(75%)を割り振ることを基本とし、9月の取り引きにおいて売れ残りがあった場合には、2月の取引対象に充てることとした。以上より、年間商品2回と週間商品の発行量は、図5のようなものとなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10