グリーン商品・サービス市場の拡大に向けては、BtoBだけでなく一般消費者を対象としたBtoCの需要創出も重要である。
アンケート調査(図5:ボストン コンサルティング グループ)によれば、6割の消費者が「環境負荷の少ない商品を買いたい」と考えているのに対して、実際に「環境負荷の少ない商品を選んでいる」消費者は約3割に留まっている。グリーン商品の購入に至らない理由としては、「どの商品が環境負荷の少ない商品なのか、よくわからないから」が最多(複数選択可)となっている。
また、消費者庁によるアンケート調査では、環境配慮商品を買うに当たって、約7割の人が「多少高くても購入したい」と回答しているが、その価格上昇幅の回答は「0〜10%未満」が大半であり、価格許容度はそれほど大きくない。価格許容度が高い人は、環境配慮商品を買う際に「耐久性」や「省エネ性能」等の付加価値についても考慮する傾向にある。
一般消費者に対して、商品・サービスの環境性を分かりやすく伝えるツールとしては、「エコマーク」や「省エネラベル」が広く普及しているが、製品のライフサイクルGHG排出量に特化した指標として、カーボンフットプリント(CFP)がある。CFPは、製品の原材料調達から廃棄・リサイクルまでライフサイクル全体でのGHG排出量を合計し、CO2に換算したものである。
これまで経済産業省・環境省は、「カーボンフットプリント ガイドライン」や「CFP実践ガイド」を作成・公表し、「CFP表示ガイド」基づくCFPの表示を促進している。
EUでは一般消費者向けの食品や衣類等での環境ラベル(GHG以外の環境指標も含む)の義務化を目指しており、フランスでは2025年内に表示ルールを施行予定としている。また、中国ではCFP算定の標準化に向け検討が進行中であり、CFPラベル認証を2030年にかけて整備予定としている。
なお、CFPを応用した「削減貢献量」や「削減実績量」といった指標もあるが、他社との比較が困難であるため、現時点では主に社会貢献としての訴求に留まっている。
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