紙パルプ製造業が製造する紙製品(情報用紙等)・板紙(段ボール等)には多様な品種があり、品種により原料や製造工程が異なるため、製造時のCO2排出原単位は品種ごとに異なる。また各社で品種・製品構成等が大きく異なるため、仮にバウンダリーを「紙」・「板紙」よりも細かい品種とした場合、各品種別の対象事業者が少なくなり、ベンチマークの策定は困難となる。
このため、製品の対象範囲については、化学・機械パルプ等を原料として用いる「紙」と、古紙パルプを主原料とする「板紙」とに区分し、それぞれの生産量あたりの排出原単位をベンチマークとする。またプロセスの対象範囲については、パルプ製造工程、抄紙工程、これらに紐付くユーティリティ施設(ボイラー、タービン等)とする。
また各社の品種・製品構成の差により生じる排出原単位の違い(有利/不利)を招かぬため、各社の品種・製品構成を同じと仮定する補正係数を乗じて、補正後のベンチマーク(BM)指標を比較することで、ベンチマーク(BM)水準を決定する。排出枠の割当量については、各社の製品構成の実態に即したものとするため、補正係数の逆数を乗じて算定する。
今後WGでは、残る7業種のヒアリングを行いながら各業種のベンチマーク算定式を作成し、排出量取引制度小委員会において排出枠割当ての水準を取りまとめる予定している。
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排出量取引制度への参加を2026年度に義務化、その実現に向けた法的課題の論点Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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