ハイブリッド給湯機・家庭用蓄電池の「DR ready要件」の見通し第6回「DR ready勉強会」(1/5 ページ)

家庭部門におけるデマンドレスポンス(DR)の活用促進に向けて、現在さまざまな家電機器の「DR ready要件」の策定が進んでいる。資源エネルギー庁の第6回「DR ready勉強会」では、ハイブリッド給湯機や家庭用蓄電池の要件について検討が行われた。

» 2025年09月04日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

 変動性再エネ電源を活用しながら、電力の安定供給を確保するため、需要側リソースを活用したデマンドレスポンス(DR)の拡大が求められている。特に家庭部門で使用される大量の小規模リソースをDRに活用するためには、それらの機器があらかじめ一定の通信接続機能や外部制御機能等を具備していることが重要となる。

 これまで資源エネルギー庁の「DR ready勉強会」では、ヒートポンプ給湯器(エコキュート)が具備すべきDR ready要件案を示してきたが、第6回会合ではハイブリッド給湯機や家庭用蓄電池の「DR ready要件」案の検討が行われた。

ハイブリッド給湯機の概要

 ハイブリッド給湯機とは、電気ヒートポンプとガス瞬間式給湯機(エコジョーズ)、タンクユニットを組み合わせた高効率な給湯器である。加熱(沸き上げ)の大半はヒートポンプで行うが、ガス瞬間給湯が可能であり、湯切れの心配をする必要がないため、貯湯タンクが比較的小さいという特徴があり、狭小な戸建や集合住宅での普及が期待されている。

図1.ハイブリッド給湯機のユニット構成 出典:日本ガス石油機器工業会

 ヒートポンプ給湯器は、電気料金が安価な深夜〜早朝での運転(沸き上げ)が基本であるのに対して、ハイブリッド給湯器(通常モード)では各家庭の給湯パターンを学習制御することにより、貯湯に伴う放熱ロスが少なくなるよう湯量・湯温を最適化し、夕方等にも沸き上げを行っている。

 また、太陽光発電を設置した家庭向けの「PVモード」では、太陽光の自家消費を最大化した沸き上げを行うことが可能である。

図2.ハイブリッド給湯機の1日の動き 出典:日本ガス石油機器工業会
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