ハイブリッド給湯機・家庭用蓄電池の「DR ready要件」の見通し第6回「DR ready勉強会」(5/5 ページ)

» 2025年09月04日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]
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DR制御による家庭用蓄電池の劣化への影響

 家庭用蓄電池システム(6〜10kWh)において、蓄電池の寿命はその充放電サイクル回数により定義され、一般的な機器では1万回程度である。

 図10上段のように、蓄電池容量の0〜100%まで充放電した場合を1サイクルとカウントし、通常利用で1日2回充放電(2サイクル)すると、これは約15年相当の動作回数になる(1日2回×365日×15年=10,950回)。

図10.家庭用蓄電システムの動作例(通常利用とDRあり) 出典:日本電機工業会

 ここで、経済DRや容量市場への活用を目的として1日にDRを1回実施する場合、図10下段のように昼間の充電が途中で終わるため、下げDRで0.5サイクル、夕方の放電で0.5サイクル、合計で約2サイクルとなる。このような利用方法の場合、DRを追加しても、通常利用と比べてサイクル数に大きな差が生じず、蓄電池の劣化にも大きな違いは生じないと考えられる。

 ハイブリッド給湯器や家庭用蓄電池等のDR活用を普及させていくには、DR ready機器の開発・市場投入だけでなく、DRを実施しやすい制度環境を整備する必要があるため、機器メーカーや電力会社、DRサービサー、政府等の幅広い協調が期待される。

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