これまで週間断面で取引されてきた商品の「前日取引化」や、取引単位の「30分化」という大きな変更が行われる2026年度以降、事業者の応札行動がどのように変化するかをあらかじめ想定することは重要である。このため、広域機関・電力需給調整力取引所(EPRX)・資源エネルギー庁は連名で、需給調整市場の取引会員事業者に対してアンケートを行った。
なお2026年度以降は、すべての商品が前日取引されるため、これらを区別するため、三次②を取引する市場を「三次②市場」、それ以外の商品(一次〜三次①、複合商品)を取引する市場を「複合市場」と呼ぶこととされた。
そもそも、需給調整市場の開始当初、一次〜三次①・複合商品を週間断面で取引することとした理由は、必要量を早い段階で確実に確保することを優先したためである。ところが実際には、発電事業者は週間取引時点から実需給までの需給変動リスクを織り込んだ上で応札量を(安全サイドで)算定するため、応札量が少なくなる原因の一つとなっていた。
アンケートでは、2026年度の複合市場の前日取引化・取引単位30分化により、複合市場への応札を増加させるとの回答が多く寄せられた。
他方、「適正な電力取引についての指針」では、支配的事業者に対して余剰電力の全量をスポット市場(前日10時)へ応札することを求めており、その売れ残り札のみが需給調整市場(同14時)へ応札可能となるため、実際の応札量は減少する可能性もあるとの回答も寄せられた。
また2026年度以降、複合市場と三次②市場は同一タイミングで応札・約定が⾏われるが、現時点、システム上の理由から一入札で両市場への応札はできないため、事業者はどちらの市場に応札するかを選択する必要がある。アンケートでは、「経済期待値が最大化するように(入札の振り分けを)実施する」との回答が最多であり、複合市場と三次②市場のいずれかに応札が偏ることも懸念される。
また、リソース別の現時点の応札量および2026年度以降の想定応札量の問いに対しては、2026年度の複合市場の応札量は増加が見込まれる一方で、三次②市場の応札量は減少が見込まれる。これは、2025年度以前は三次②へ応札されていたリソースの一部が、複合市場の前日取引化により、複合市場へ流れるためと考えられる。
また一次調整力において、蓄電池が2026年度想定応札量の半分程度を占めると想定されている。
ただし、調整力必要量(2025年度実績ベース・図7の緑色線)と2026年度想定応札量(図7の水色部分)を比較すると、一次・二次①・複合商品において、2026年度も応札不足が続くと想定される。
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