ため息が出たら笑ってみる――「理由なき笑い」を習慣化「心のスイッチ」で心の状態を変える(2/2 ページ)

» 2009年01月26日 09時45分 公開
[平本あきお(構成:房野麻子),ITmedia]
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「はあ……ははははは(笑)」――思わずついたため息は笑いに変える

 「3分で緊張をほどく6つのテクニック」でも解説しましたが、呼吸も心の状態と密接に結びついています。腹が立っている時は腹が立っている呼吸、落ち着いて時は落ち着いた呼吸をします。不安な時は胸だけの浅い呼吸、安心している時はお腹でする深くてゆっくりとした呼吸というように、呼吸と心の状態は結びついています。つまり、呼吸を変えると心の状態は変わります。

 前回のように落ち込んだ姿勢を取ってください。そしてそのまま3回ほどため息をついてみてください。

 どうでしょうか。あまり明るい気分にはなりませんね。我々はみんな、“愛用のため息”を持っているわけです。そのため息をつくと予定通り落ち込みます。このまま落ち込んでしまっては困るので、大きく伸びをして声を出し、心の状態を変えてくださいね。

 ため息をつくのが癖になっている人もいます。その場合は、「はあ……ははは(笑)」というように笑いに変えてほしいですね。ため息の最後をハッピーエンディングにしたいのです。反対に、最初は笑いでも、最後にため息をつくと、落ち込んだ状態になって、それが残ってしまいます。

 無意識のうちにため息が出てしまうこともあるでしょう。そんな時は深呼吸をしてください。体中のモヤモヤやイライラ、疲れを全部吐き出すつもりで深呼吸します。その際は、吐く息に意識を向けてみましょう。要らないものを全部吐き出すように深呼吸するだけでちょっと気分が変わります

吐く息に意識した呼吸法を朝晩やってみる

 以前紹介しました2つの呼吸法を紹介しましょう。

 1つは「呼吸鑑賞法」です。

 自分の呼吸で、空気が入ってきて出ていくのを、目を閉じてただ感じるだけです。わざとゆっくりした呼吸にする必要はなく、ただ呼吸に意識を向けます。そして、ゆっくりと目を開けて、静かに回りを見回してみてください。ちょっと落ち着くはずです。呼吸に意識を向けて落ち着いたら、仕事がたまっていたとしても、落ち着いた状態でこなすことができるはずです。

 もう1つが「カウント呼吸法」です。

 初心者は1カウント1秒くらいの長さで4カウント吸って、8カウント止めて、8カウント吐く、という方法がやりやすいでしょう。

 4カウント吐くところから始めます。4カウント吸ったら8カウント止め……次は8カウント吐きます。再び4カウント吸って8カウント止め……8カウント吐く、というように繰り返します。8カウンド呼吸を止めるのは、吸った酸素を体に回すためです。そして、体にある毒素も吐き出すような気持ちで息を吐き出します。いいものを取り入れるというよりも、悪いものを出すという気持ちで吐く方に意識を向けます。これを3セットから5セット、朝、もしくは朝晩やってみてください。


 次回は、言葉を使った心のスイッチの入れ方の続きを見ていきます。

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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本あきお(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は、『すぐやる! すぐやめる!技術 ― 「先延ばし」と「プチ挫折」を100%撃退するメンタルトレーニング』。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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