「道に迷ったのね? いいわ、教えてあげる」 接客のプロは人としてもパーフェクトに美しかった走る社長の軽快ブログ

あの洋服屋の店員さんの「凛とした」たたずまいから、サービス業の基本を思い出させられました。無償の奉仕の心、そして目の前のお客様に対する無限に広がる親切心がそこにはありました。

» 2013年08月20日 16時09分 公開
[貫洞沙織,Business Media 誠]
誠ブログ

 こんにちは! 走る社長、貫洞(かんどう)です。先日暑い暑い中、日中外を歩き回っていたら、熱中症になりかけました。もはや外回りすらキケンな気温です。

 さて、今日はどうしても訪ねたい携帯ショップがあって、遠出していました。サービスがいいとか、たくさん売れているとか、そうしたお店の情報を聞きつけると行かずにはいられない性分なのです。

 ショッピングモール内のあるお店を探していた時、モールが広すぎて、モールの中のどこにその携帯ショップがあるのか、まったく探せずに迷ってしまいました。その階にあることは間違いないのですが、フロアのどこにあるのかが分からない状態。とにかく多くの洋服屋さんが並んでいました。

 私は洋服屋さんで道を尋ねることにしました。しかし、あるお店では店員さん同士が会話に夢中で尋ねられる状態ではありません。また別のお店では、誰も店頭にいない状態で、こちらも尋ねられません。次のお店では、入口で立ち止まっただけの私に「ニコッ」と笑いかけてくれた店員さんがいました。ベリーショートで細身の、私の母親くらいの年齢の店員さんでした。その洋服屋さんは40代〜向けの洋服を扱っているので、こちらが洋服を買いに来たのではないことは明らかです。

 そこで、「すみません、携帯ショップを探しているのですが……」と尋ねると、

 「ああ、迷っちゃったのね。あそこ奥のほうなのよ、教えてあげるわ。こっち来て」

 とニッコリ笑って、通路まで出てきて教えてくれました。おかげで私は目的のショップにたどり着けました。

理想のサービス業とは

 その後、目的のショップに着いた私。心の中は、先ほど道を教えてくれた洋服屋の店員さんのことでいっぱいでした。

 「お客でもない私に、あんなに親切にしてくれた……」

 「買わない人に対しても、表情1つ変わらなかったな」

 「きっとあの人は、接客する時も近所の人と話すときも同じように親切な人なのだろうな。魅力的だな」

 と、さっきのことが頭から離れません。

 サービス業は「理想の販売員を想定して、それを演じきること」だと思っていました。けれど、もっと深いところで人としての魅力を高めていくところに、その終着点があるのではないか? いや、逆かもしれない。日々自分が理想とする接客を演じているうちに、役が自分に入り込んで、本当に魅力的な人になっていくのかもしれない。

 ずっと、そんなことが頭の中をぐるぐると回っていました。

 私たちの会社では、「販売を生業とする者は、接客させていただく謙虚な気持ちを持たないといけない」と教育をしています。

 商品説明はできて当たり前。何を聞かれても、答えて当たり前。その先へ進んで、今日は買う気がないお客に「これがあったら生活が楽しくなるかも!」と夢を与え、商品を手に取った時の喜びを与える事ごとが販売員の仕事である、と考えています。

 道を「分かりやすく案内させていただく」

 商品を「夢と一緒に販売させていただく」

 困っていたら「手助けをさせていただく」

 根底にあるのは、無償の奉仕の心であり、目の前のお客様に対する無限に広がる親切です。

 あの洋服屋さんの女性の「凛とした」たたずまいから、サービス業の基本を思い出させてもらった、そんな1日でした。次回あの町に行った時は、母にプレゼントする洋服をあの洋服屋で買ってみようと思います。そして、このことを少しだけ話してみたいと思います。

 目玉が飛び出るくらい高いお店だったらどうしよう、と、今から少しドキドキしています。

※この記事は、誠ブログ風を切って走る!走る社長の軽快ブログ:「道に迷ったのね?いいわ、教えてあげる」 接客のプロは人としてもパーフェクトに美しかったより転載、編集しています。

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