連載
» 2013年12月24日 15時15分 UPDATE

知っておきたい領収書の常識:そもそも「経費と領収書の関係」って何なの?

今回のテーマは「領収書を上手に活用して、経費で落とす」こと。まず、「経費で落とす」ってどういうことか、分かりますか?

[梅田泰宏(公認会計士・税理士),Business Media 誠]

集中連載『知っておきたい領収書の常識』について

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 本連載は、2013年12月21日に発売の梅田泰宏著『経費で落ちるレシート・落ちないレシート』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。

 フリーランスや個人事業主として働く人にとって、領収書、レシートは「金券」のようなもの。その支払いが「経費である」と認められれば、支払う税額が減るからです。

 とはいえ、「何が経費になって、何が経費にならないのか」という基準は、誰も教えてくれません。なぜかと言えば、経費で「落ちるか」「落ちないか」という意味では、全ての領収書が「グレー」であり、ケースバイケースで、明確な基準が存在しないからです。

 しかし、実は、「落とすコツ」というものが確かに存在します。それは、具体的なケースを通してのみ、知ることができる種類のものなのです。本書は、「経費」に関する基礎知識を押さえたあと、具体的なケースを通して、経費で「落とせる基準」と「落とすコツ」を解説していきます。

  •  本連載は、フリーランスのライターである鈴木ヒロシさんと、税理士の梅田(私)が主な登場人物です。
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 これから「領収書を上手に活用して、経費で落とす」ということを考えていくワケですけど、そもそも「経費で落とす」ってどういうことか、分かりますか?

 個人事業主やフリーランスの人は、サラリーマンのように会社から給料をもらうのではなく、自分で稼いだ(売り上げた)お金から、費用を引いて、これを各自で申告する仕組みになっています。これが「確定申告」です。

 売上収入から費用を引いたものが「所得」で、税金はこの所得に対してかかります。所得税だけでなく、住民税もこの所得がベースになっています。ということは、収入より費用が多いと所得はマイナスになり、所得税はかかりません。住民税も数千円程度で済みます。


shk_hiroshi.jpg 鈴木

てことは、いろんなものを経費に計上すれば課税所得も少なくなり、税額も下がる♪


shk_umeda.jpg 梅田

何でも無条件で経費に計上できるワケじゃないけど、まあ早い話、そういうことだね。


 鈴木さんはフリーのライターだから、まあ自営業者ですね。個人事業主でもある。

 税金的に言えば、サラリーマンは給与所得者になり、会社で「年末調整」という手続きによって、1年間の所得が計算されて税金が精算されます。

 だけど個人事業主・フリーの人は、誰かに雇用されているわけではないから、各自が収入と費用を集計して、確定申告することで1年間の所得税を計算するわけです。この収入から差し引く費用を「必要経費」と言い、必要経費にすることを「経費で落とす」と言います。


shk_umeda.jpg 梅田

言うまでもなく、税金は、少ないほうがありがたいでしょ。


shk_hiroshi.jpg 鈴木

センセ! 何を当たり前なことを……☆


shk_umeda.jpg 梅田

でも、節税と脱税は違うよ。当たり前だけど。


shk_hiroshi.jpg 鈴木

もちろんボクは脱税など致しません。正しい節税をしています! 経費の内容についても、きちんと領収書を取っています。


shk_umeda.jpg 梅田

ホントかねえ。まあ、とにかく個人事業主やフリーランスにとって領収書は現金に近い価値があるんですよ。会社(法人)だって同じです。


 つまり税金を計算する上では、費用(必要経費)の集計が重要なポイントとなってきます。収入は、しっかり把握していても費用の「出」については案外ズボラな管理、ということも見受けられます。

 費用は、収入を得るために直接・間接にかかったものです。せっかく必要経費として支出しておきながら、集計を漏らすと利益は実際よりも多くなり、負担しなくてもいい税金を余計に払う羽目になってしまいます。だから、もらった領収書をしっかり整理しておくことが重要になるわけです。領収書がないと何のために使ったお金か分からず、税務署は必要経費と認めてくれないこともありますよ。


shk_hiroshi.jpg 鈴木

なるほど、だから領収書は現金に近い価値がある、と。じゃあ、ファミレスとかで食事したときも、領収書をもらえばいいんだ! 「すべての領収書は経費で落ちる」とかいう本まであるしなあ。ふふふ。


shk_umeda.jpg 梅田

残念でした。税務署はそんなに甘くないよ。それにさっきから「必要経費」と言ってるでしょうが。つまり、「収入を得るために必要な経費」じゃないといけないんですよ。遊ぶために使ったお金は、いくら領収書があっても経費にはなりませんから。


 要するに、確かに「すべての領収書は経費で落ちる」のです。しかし、「仕事で使ったお金」ということが証明されなければならない。証明責任は、常に納税者側にあります。

 だから、例えばファミレスで仕事先の人と一緒に食事をして領収書をもらったとしても、もし税務調査で、「この食事代は、誰とですか。仕事関係の人ですか」と突っ込まれて、アタフタすると、経費だと認めてもらえない可能性だってある。


shk_umeda.jpg 梅田

だから、領収書を経費で落としたかったら、「仕事で使った」と説明できるようにしておきなさい、ということなんですよ。言い換えれば、その説明さえできれば経費で落ちる、と考えていいでしょう。


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