IBMとCitrixが「On-Demand」実現に向け提携強化

米国時間の10月5日に本格開幕した「Citrix iForum 2004」で、CitrixのテンプルトンCEOは、オープニングキーノートの中でIBMのeServer xSeries担当GM、スーザン・ウィットニー氏をステージに招き上げ、両社の提携強化を明らかにした。

» 2004年10月06日 14時13分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 共に「On-Demand」を掲げるIBMとCitrix Systemsが、その約束を果たすべく、手を結んだ。

 フロリダ州オーランドで米国時間の10月5日に本格開幕した「Citrix iForum 2004」で、CitrixのテンプルトンCEOは、オープニングキーノートの中でIBMのeServer xSeries担当GM、スーザン・ウィットニー氏をステージに招き上げ、両社の提携強化を明らかにした。Citrixの創業者であるエドワード・アイアコブッチ氏は、元IBMの技術者。フロリダ州ボカラトンのIBM開発拠点でOS/2開発の指揮を執ったことでも知られている。

eServer xSeriesを担当するウィットニーGMが招かれた

 企業がITリソースは、そのほとんどがアプリケーションごとに導入されているため、異種混在であるだけでなく、その利用効率も決して高くない。

 IBMのウィットニー氏は、ITリソースの使用効率を高める取り組みは、現在主流の物理的なコンソリデーション(集約)から次第に論理的なコンソリデーションへと進化するとみる。

 「サーバやストレージの仮想化によってもたらされる論理的な簡素化が、さらに管理性とITリソースの使用効率を高めてくれると期待されている」とウィットニー氏。

 IBMとCitrixは、MetaFrame Access Suite、WebSphere、Tivoli、およびeServer BladeCenterによって構成される包括的なオンデマンドコンピューティングのソリューションを共同で市場に売り込んでいく。

 ウィットニー氏は、自身が担当するeServer BladeCenterにネットワークスイッチやSSLの演算処理のようなネットワークエッジのアプリケーションだけでなく、MetaFrame Presentation Serverによってクライアントのアプリケーションまで集約してしまうソリューションを分りやすく説明した。こうした論理的な簡素化によって、管理コストは節約でき、ITリソースの使用効率もさらに高まるはずだ。

 「MetaFrame Presentation Server Portlet for WebSphere」も用意され、両製品の統合も可能となる。これにより、WebアプリケーションとWeb化されていないアプリケーションどちらにも容易にアクセスできる仮想的なアクセスポイントを構築することができるという。

 また、次期バージョンのMetaFrame Presentation ServerではTivoliとの統合も進み、Tivoli Intelligent Orchestratorによって、処理の負荷に応じて必要とされるリソースが自動的に割り当てられるようになるという。

 なお、Citrixはこの日、SAPとの提携強化も発表している。SAPのアプリケーションを迅速にアップグレードするソリューションを北米で提供するもの。比較的頻繁にリリースされるクライアントサイドのSAPアプリケーションをMetaFrame Presentation Serverにインストールするだけで、迅速な配備が完了する。既に先進的なSAPユーザーではCitrixのソリューションが導入されており、運用管理コストの節約に役立てているという。

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