米国時間の6月27日、2005 JavaOne ConferanceがJavaの聖地で開幕する。Java生誕から10年を迎えたこの時、多くのデベロッパーが集い、今後のJavaについて語り合ういちばんのトピックは何になるのか?
米国カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニコンベンションセンターで27日から開幕する「2005 JavaOne Conferance」。地球温暖化を感じさせない西海岸のすがすがしさは、皮肉にもしわ寄せはIT大国に無縁なのか? などと思わせる。この先Sunは、エコをも見方にする世代を迎えるのだろうか。
モスコーニコンベンションセンターといえば、6月6日にAppleがIntelプロセッサ採用を表明し、業界を沸かせてまだ興奮冷めやらぬところ。開催前日の26日からも「Java University」と呼ぶセッションなどが開かれており、熱心なデベロッパーが足を運ぶ光景も見られた。
今カンファレンスでいちばんの注目は、大きな節目となる10周年にSunが用意したインパクトは何か? 基調講演に招かれたBEA Systems(関連記事)や、Oracleの動きなども、JavaOneを前に各社それぞれのトピックを用意して挑む。
また、OpenSolarisで強調するオープンソースとコミュニティー協調の加速もJavaの追い風だ。「Wicket」だけではなく「NetBeans 4.1」、更なるオープンソースプロジェクト発表もあるのでは? と噂されている。
ここ数年のJavaの成長はめざましいものがある。10年前の1995年5月(関連リンク)、「Sun World Expo」カンファレンスで披露されたJavaは、1996年のJavaOneで多くの協賛エンタープライズベンダーを集め、飛躍してきた。
ポインタ概念を廃したJava言語は、当初よりメモリリークの苦渋からプログラマーを救い、メモリ解放のガベージコレクタもJVMが担うなど、オープンさを強調してきた。この時から既に言語での抽象化が段階的に始まっていたと言えるだろう。そして、サーバサイド利用でミッションクリティカル追求なJ2EEでは、言語の域を超えたSOAに代表されるデベロッパーからビジネス指向の抽象化へと進んでいる。
その最近の変遷は、ITmediaがリポートし続けてきた2004 JavaOne Conferance、2003 JavaOne Conferance、2002 JavaOne Conferance、それぞれの総覧で感じ取ることができるだろう。
一方で、Javaの前身となったジェームズ・ゴスリング氏によるOakは、機器の組み込み用途を目指していたことでも知られている。Javaとして生誕から10年、サーバサイドの躍進を追い風にして、これまでにもSunNetwork 2003では関連するJDS(Java Desktop System)を披露、そのオープンソース化を2004 JavaOne Conferanceキーノートトピックの1つにしている。この情勢は何もSunに限ったことではない。RCP(Rich Client Platform)としてEclipse(IBM Rational)でも注力し始めている。サーバサイド利用だけがJavaではない、というメッセージを高らかとしているのだ。
また2004年7月には、リアルタイム性追求の動きもあり(RTSJ)、ゴスリング氏のOrk再来かとも思わせてくれる。そして、和解からやっと公式な場で握手を交わすことになるMicrosoftのテクニカルセッション内容や出展ブースにも必見だ。
2005 JavaOne Conferanceは日本時間、27日23時から基調講演が始まる。
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