コラム
» 2009年03月17日 16時46分 公開

Next Wave:第2章は社長が営業を陣頭指揮――AT&T ジャパン

AT&T ジャパンは新体制での事業戦略を発表、3月1日付で代表取締役社長に就任した岩澤利典氏の下、3つのチームを作りグローバル展開する日本企業をサポートする。

[大西高弘,ITmedia]

3チームで結束し新サービスを提供する

 新体制では、グローバルに統合した専門チームを各分野で構築し、グローバル化がさらに進展するとみられる日本企業に高いサービスを提供する。営業、Network Integration、カスタマー・サービスの3つのチーム編成で、営業のトップは岩澤社長自らが務める。評価の高いコンサルティングセールスを武器に、顧客ごとの要件に応じたサービスの形態を提案していくという。Network Integrationはソリューションのデザインを担当、ネットワークのマネージドサービスやデータセンターの利用、ユニファイドコミュニケーション、セキュリティなどさまざまな分野で顧客に最適なソリューションを提供していく。カスタマーサービスはソリューションの実装、運用を担当し、システム構築作業や稼働後の運用、監視などを行う。それぞれの人員規模は営業は約90人、Network Integrationは約50人、カスタマー・サービスは約150人で業務を進めていく。

 新体制の発表の意味について、岩澤氏は次のように述べる。

 「ワールドワイドで展開する企業はどの国の企業であれ、グローバルガバナンスの強化を強く推進している。そしてそのために統合化されたネットワークインフラを強く求めている。そうでなければ、ガバナンスの強化、拡充ができず市場から見放されてしまうことを知っているのだ。そして彼らが通信事業者に求めるものは、ネットワークインフラの上でさまざまなサービスを提供する、付加価値の高いソリューションだ。これまでAT&T ジャパンではWANを核としたソリューションを提供してきた。しかし、今後はAT&Tのグローバル戦略に合わせ、WAN分野での実績を起点にして、垂直と水平にサービスを拡充していく。AT&T ジャパンは第2章に入った」

「AT&T ジャパンは第2章に入った」と話す岩澤利典氏

 この日紹介された新製品・ソリューションは「AT&T Managed Telepresence」「AT&T Connect」「AT&T Synaptic Hosting」の3つだ。「AT&T Managed Telepresence」は遠隔地の拠点同士で実現する会議システム、「AT&T Connect」は音声、Web会議、バーチャルトレーニング、会議記録などを1つにして提供する会議ソリューション、そして「AT&T Synaptic Hosting」はアプリケーションの利用形態やボリュームに応じてリソースを割り当てるサービスだ。

 「AT&TはIBMやShellなど世界有数のグローバル企業のコミュニケーション基盤をサポートしてきた。オムロンなど日本のグローバル企業でも実績を持っており、さらに先進的なソリューションを提供していくことで、顧客がコアビジネスに専念する体制を作り上げ、生産性の向上をグローバルに支援していく」と岩澤氏は話す。

 今回の新しい事業戦略は、さらに激しいグローバル化の波を受けている日本企業に向けている照準を、絞りなおしたものといえるだろう。グローバルでの全体最適化はこれまでも日本企業にとって大きな課題だったが、もはや待ったなしの様相を呈してきた。岩澤氏の話すように、グローバルでコストを適正化していき、ビジネスのスピードを上げていくには、今回紹介されたようなソリューションは大きな武器になる。そこで必要になるのは、統合化されたネットワークだ、というのが今回の事業戦略の肝といえる。

WAN事業を起点にした新事業戦略の垂直、水平展開イメージ

 また岩澤氏は新事業戦略では、水平に伸びていく分野と垂直に伸びていく分野があると話した。水平分野は、会議システムなど、より多くのユーザーが同社のネットワークを利用するソリューションだ。一方、垂直分野は「AT&T Synaptic Hosting」のようなユーティリティコンピューティングであるという。垂直分野が今後も伸長していくとすれば、ユーザー企業にとっても大きなインパクトになるだろう。

 今回の発表に同席した、AT&T ビジネス・ソリューションズのパット・ストルツ広報担当バイス・プレジデントは、2008年のAT&Tの業績について、第4四半期でワイヤレスでの新規加入が210万人で、固定通信事業においても売上高が10%以上伸びたと話し、「法人向けに特化した独創的な付加価値を追求していく」とした。また、ストルツ氏はSynaptic Hostingやネットワーク・ストレージなどは重点投資分野だと話す。

 「グローバルに一貫したサービスを提供することが、顧客の経営効率化に大きく貢献する」と岩澤氏は強調する。コストを削りながら同時にライバルとの差別化を進めたい企業にとって、グローバルに標準化されたコミュニケーションサービスはさまざまなメリットをもたらすソリューションとして映るだろう。

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