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» 2009年04月16日 16時35分 UPDATE

Pulse Japan 2009 リポート:プライベートクラウドによるコスト削減に実効性を――日本IBM

IBMはクラウドコンピューティングの仕組みを自社内に導入し、コスト削減と新規ビジネスの開発につなげている。ここで得たノウハウを、同社が提唱するコンセプト「ダイナミック・インフラストラクチャ」につなげ、企業のサービス改善やリスク管理を支援する。

[藤村能光,ITmedia]
岩野和生氏 岩野和生氏

 「クラウドは今日のコスト削減と明日(のビジネス)への布石になる」――。日本IBMの執行役員で未来価値創造事業担当の岩野和生氏は、4月15日に開催されたイベント「Pulse Japan 2009」の基調講演で、企業内の情報システムをクラウドコンピューティング環境にする「プライベートクラウド」の取り組みが新規ビジネスの開発やコスト削減に効くことをアピールした。

 岩野氏が講演で紹介したのは、IBM自身のクラウドコンピューティングに対する取り組みだ。具体的には、情報システムをネットワーク経由で仮想的に構築できる「IBM Reseach Compute Cloud」と呼ぶ開発環境の提供基盤に言及。世界8カ国の基礎研究所に属する3000人の研究員が、独自のポータルサイト経由でOSや仮想化ソフト、CPUを組み合わせて、研究に使うシステム環境を仮想的に構築しているという。

 「メインフレーム30台の環境を構築する場合、2カ月程度を要する。クラウドの仕組みを使うと、わずか10分で実装できる」と岩野氏は続ける。クラウドベースのサービス基盤を活用することで、開発環境の迅速な整備と新規ビジネスへの橋渡しをしている。

Technology Adoption Programのコスト削減効果 Technology Adoption Programのコスト削減効果

 コスト削減の取り組みとして取り上げたのは「Technology Adoption Program」というポータルサイト。そこではソフトウェアの開発手法やアイデアをエンジニアが共有できる。このシステムをクラウド環境に移行したところ、ハードウェアやファシリティ、運用保守の人件費に掛かる費用を年間で83.8%削減できたという。岩野氏によると「IT投資の80%がメンテナンスにあてられており、新規投資は20%程度」。Technology Adoption Programの環境をクラウド化したことで、浮いたコストをソフトウェアの新規開発に投入できるという。

 IBMは、企業の「サービス改善」「コスト削減」「リスク管理」を推し進める「ダイナミック・インフラストラクチャ」と呼ぶコンセプトを提唱している。その核となるのが、あらゆる業務とそれにかかわるIT資産を可視化、制御、自動化する「サービスマネジメント」という取り組みだ。

 「2014年にはIT投資の対象の66%がクラウドコンピューティング関連になるという調査もある。(クラウドコンピューティングを活用することで)ダイナミック・インフラストラクチャをスローガンではなく、実効性のあるものにしたい」と岩野氏は強調した。

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