Apple、iOS開発者向けライセンス契約の制限緩和を発表App Store承認ガイドラインも公開

この改訂で、開発者はAdobeのFlashアプリの移植とGoogleのAdMob広告プラットフォームの利用が可能になるようだ。

» 2010年09月10日 08時13分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Appleは9月9日(現地時間)、同社のモバイルOS「iOS」向けアプリ開発者とのライセンス契約「iOS Developer Program License Agreement」(リンク先はPDF)を改訂したと発表した。

 改訂されたのは、アプリ開発に使うプログラムに関するセクション3.3の3.3.1、3.3.2、3.3.9。Appleは「App Storeをより良いものにするため、われわれは開発者の声を聞き、彼らのフィードバックを真摯に受け止めて」おり、上記3つの項目にある規制を緩和するとしている。3.3.1と3.3.2の改訂により、iOSアプリ作成に使う開発ツールの制限をすべて撤廃した。ただし、アプリがコードをダウンロードしないことが条件となっている。

 同社は4月にiPhone OS 4.0 SDKのβ版を公開した際、「アプリケーションの品質維持のため」開発に使うツールに制限を設けた。その結果、開発者は米AdobeのFlashを利用したアプリをiPhoneアプリに変換できなくなっていた。また、iPhone 4を発表した6月の改訂では広告配信に関する制限が追加され、米Google傘下のAdMobなど、独立していないプロバイダーを利用できなくなっていた。

 新たな3つの項目は以下のようになっている。

  • 3.3.1:アプリケーションは、Appleが指定した通りのドキュメントAPIのみで開発され、プライベートAPIを利用したりコールしてはならない
  • 3.3.2:アプリケーションは、実行コードをダウンロードしたりインストールしてはならない。すべてのスクリプト、コード、解釈プログラムがアプリケーション内にパッケージされ、ダウンロードされない場合にのみコードの利用は認められる。Appleが組み込んでいるWebKitフレームワークでダウンロードおよび稼働するスクリプトとコードのみ例外として認められる
  • 3.3.9:開発者およびそのアプリケーションは、ユーザーによる事前承認なしにユーザーおよび端末のデータを収集してはならない。収集したデータは、アプリケーション利用に直接かかわるサービスあるいは機能、広告の提供目的にのみ利用できる。アプリケーションで分析ツールを利用し、データを収集したり第三者にそのデータを提供してはならない

 同社はまた、App Storeへのアプリ登録で行っている審査について説明した「App Store Review Guidelines」(全文を読むには開発者アカウントが必要)を開発者向けに公開した。これまでApp Storeの承認プロセスは不透明で、登録を拒否された場合にも理由が分からないという問題があった。このガイドラインにより、開発者がより優れたアプリを作成できるようになることを望むとAppleは述べている。

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