Google、“自動運転カー”プロジェクトを発表――既に公道で試運転中

Googleが人工知能を利用した自動運転カーを開発中であると発表した。同社の車で収集した膨大な情報をデータセンターで処理することで実現するとしている。

» 2010年10月10日 12時00分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは10月9日(現地時間)、自動車用自動運転システムを開発中であると発表した。既に米カリフォルニア州の公道で走行テストを実施しており、同システムを搭載した自動車を14万マイル(22万5000キロ)以上走らせたという。

 実験中の“自動運転カー”は、ビデオカメラ、レーダーセンサー、レーザー測距器を使って車や通行人の状況を“見”ながら、Googleが収集した詳細な地図データを参照して目的地に進む。同社のデータセンターで「Googleストリートビューカー」が収集している膨大なデータを処理することで、こうした自動運転を可能にしているという。

 走行テストでは安全を期して、運転席には訓練を受けたドライバーを、助手席にはソフトウェア技術者を乗車させており、あらかじめドライバーが従来の方法で走行して状況を把握しているルートを走っている。

 Googleのエリック・シュミットCEOは、先月開催された「TechCrunch Disrupt」イベントでの講演で、「自動車は自動で走行すべきだ。自動車の方がコンピュータより先に発明されたのは間違いだった」と語っている。

 同プロジェクトを率いるセバスチャン・スラン氏によると、交通事故と炭素排出を減らし、人々の自由時間を増やすことが、このプロジェクトの目標だという。スラン氏はスタンフォード大学のコンピュータ・サイエンス学科と電気工学科の教授で、スタンフォード人工知能研究所の所長を務めており、GoogleにはDistinguished Software Engineerとして参加している。

 同プロジェクトには、米国防総省高等研究計画局(DARPA)主催のロボットカーレース「Grand Challenge」参加経験を持つ優秀な技術者を集めたという。スラン氏はこのレースの常連であるスタンフォードレースチームのリーダーでもある。

 米New York Timesが同日掲載した取材記事によると、この自動運転カーの実用化には8年以上かかるという。同記事には自動運転カーに同乗して撮影した動画や写真が掲載されている。

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