ここまで使える! パブリッククラウド活用の最前線
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» 2011年12月19日 08時00分 公開

クラウド最前線:スマホで経費精算できる?――「Concur Expense」がもたらす3つの価値

煩雑な経費精算に悩む企業は少なくないはずだ。コンカーが国内提供を始めたクラウド型の経費管理サービス「Concur Expense」は、経費申請者と承認者の双方に効率化などのメリットをもたらすという。

[本宮学,ITmedia]

 「経費申請・承認プロセスが煩雑」「従業員が正しく経費を使っているか把握できない」――これは多くの企業が共通して抱く悩みだろう。業務の効率化やコスト削減を目指す企業にとって、経費精算をいかに迅速かつ正確に行うかは見過ごせない課題となっている。

 こうしたニーズに応えるべく、米Concur Technologiesの日本法人として今年2月に設立されたコンカーが国内提供を始めたのが、クラウド型経費管理サービス「Concur Expense」だ。同サービスは企業の経費精算プロセスに対し、申請・承認作業の「合理化」および「厳格化」、「システムコストの削減」という3つのメリットをもたらすという。

ポリシー設定によって経費精算を合理化

photo 三村真宗社長

 「いくら会社が経理に関する規定を策定しても、従業員はそれをいちいち覚えないし、まして上司が全ての経費申請を個別にチェックすることなど考えられない」と、コンカーの三村真宗社長は指摘する。こうして多くの場合、規定に反した申請が経理部門に集まってしまうことになるものの、その都度従業員を注意することもできずにうやむやになってしまうケースが多かったという。

 この問題を解決するのが、Concur Expenseのポリシー管理機能だ。Concur Expenseは、ユーザーが事前に設定したポリシーに基づいて経費申請の不正の有無を自動でチェックし、ポリシー違反の度合いに応じて赤や黄色のチェックマークを付けるという機能を搭載している。例えば「国内出張の際はルームサービスは利用不可」といったポリシーを設定しておけば、それに違反した“赤マーク”の申請はそもそも申請自体ができなくなる。ポリシーは「領収書イメージを添付すること」がデフォルトで必須になっているほか、ユーザーが自由に設定することもできる。

photo 申請者側の画面

 とはいえ全ての規定違反を自動で却下するわけではなく、“黄色マーク”の軽微な違反の場合は承認者が個別に許可することもできる。従業員がやむを得ずポリシーに抵触する申請をする場合、その事情についてコメントを付けて申請することが求められるため、承認者はこうした黄色マークの申請のみを個別にチェックし、承認すれば済むようになっている。

photo 承認者側の画面

 Concur Expenseはこのほか、個人別/部門別などの申請状況を時系列で分析してレポーティングする機能も搭載している。同機能を使えば、企業は経費精算作業を業務プロセスの改善につなげることができると三村社長は話す。

 「もし特定の個人がイエローカードの申請をすることが多ければ、その個人の業務の仕方に問題があるということが分かるし、特定の部門に多ければその部門のマネジメントに問題があることが分かる。会社全体として多ければ、現実と規定自体が合わなくなってきている可能性が高い」(三村社長)

領収書イメージの添付やカード連携で「データ改ざんの余地をなくす」

photo iPhoneアプリの利用画面

 Concur Expenseには、経費申請の入力作業を効率化できるというメリットもある。ユーザーはスマートフォン向けの専用アプリ(iOS、Android、BlackBerryに対応)をダウンロードすれば、場所を選ばず経費の申請・承認作業ができるようになるという。

 Concur Expenseでは経費申請の正確性を高めるため、申請時に領収書のイメージを添付することが必須となっている。領収書イメージはメールへの添付やPC内ファイルの選択のほか、アプリからもアップロードすることができるため、ユーザーは領収書を受け取ったその場でスマートフォンのカメラで撮影し、すぐにアプリから経費申請を済ませられるようになっている。

 また、データはアプリとPCのどちらから入力するかにかかわらず、クラウド上に保存されるため、領収書を受け取ったその場でスマートフォンから写真をアップロードしておき、後からPCで詳細を追加入力する――という利用の仕方も可能だ。

 クレジットカード会社との連携による経費の自動入力機能も特徴だ。同機能を使えば、カードの利用状況をクレジットカード会社から取得し、ユーザーがコーポレートカードを使った翌日には利用明細がConcur Expense上に自動で入力されるという。これにより、入力作業を省略できるほか、申請ミスやカードの不正使用を防ぐこともできるとしている。同機能は海外のカード会社(VISA CardやMaster Cardなど)では既に提供されており、国内のカード会社とは今後の提携に向けて協議しているという。

photo クレジットカードからのインポート確認画面

 また今後、国内向けのサービスとして、SuicaやPasmoといった交通系ICカードとの連携機能も予定している。同機能が実装されれば、ユーザーは交通費の精算も自動化できるようになるという。このほか、Concur Expense上で出張先のホテルのチケットを取ったりできる「出張管理機能」を2013年をめどに搭載する予定だ。

 Concur Expenseの最大の“売り”は、「データの誤入力や改ざんの余地をなくすこと」と三村社長は言う。カードからのデータインポート機能やモバイル端末を使った領収書イメージ添付機能などを通じ、経費申請者/承認者の利便と企業としての統制強化を両立させるという。

常に最新版にアップデート コスト削減効果も

 Concur Technologiesは創業から数年間、経費管理システムをパッケージソフトとして販売していた。当時は「ユーザーごとにバージョンが異なっており、ユーザー全員に最新の機能を提供できていないという問題があった」と三村社長。Concur Expenseでは全ての機能をクラウドサービスとして提供することで、ユーザー自身がアップデートを意識することなく常に最新版の機能を利用できるようにしたという。

 導入に当たってライセンス料が一切発生しないのも特徴だ。一般的な経費精算ソフトでは、例えば100人分のライセンスを購入したとしても実際に経費精算プロセスに関わるのは30人程度で、70人分のライセンス料が無駄になってしまうというような場合も少なくなかったと三村社長は話す。同サービスでは申請から承認までのプロセスを1単位として、利用回数に基づき毎月の料金を算出。ユーザーはサービスを実際に使った分だけの支払いで済むため、それまで余剰に発生していたコストを削減できるようになるという。

 このようにメリットの多い「経費管理のクラウド化」だが、経費申請/承認プロセスには多くの金銭情報が含まれることから、セキュリティを心配する企業も少なくないだろう。この点についてConcur Expenseは、情報漏えい防止のための規格「ISO27001」に準拠したセキュリティ機能を備えるほか、常に第三者機関によるチェックを実施。また、コンカー社内でもシステム管理権限を厳格化するなど、さまざまなセキュリティ対策を施しているという。

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