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» 2017年02月16日 10時30分 UPDATE

VRで南海トラフ巨大地震に備える JR西日本 和歌山支社の運転士が取り組む訓練とは (1/2)

JR西日本の和歌山支社が、南海トラフ巨大地震とそれにともなって発生する可能性がある津波への対策として、VRシステムを使った訓練を導入する。運転士を中心に、乗務員にリアルな疑似体験を繰り返して対応力や判断力の向上を図る。

[園部修,ITmedia]

 JR西日本 和歌山支社(以下、和歌山支社)が、南海トラフ巨大地震に備えた訓練を行うVRコンテンツを導入することを明らかにした。KDDIが制作した「VRによる災害対策訓練ソリューション」を利用する。

JR西日本 和歌山支社が導入するVRによる災害対策訓練ソリューション 訓練の様子

 和歌山支社が今回導入するのは、HTCのVRゴーグル「HTC Vive」と専用PCを使用し、運転士が訓練するためにカスタマイズした構成。2017年4月以降、順次運用を開始する。KDDIによると、「鉄道会社の運転士を対象に、VR機器と実写VR動画コンテンツを活用した津波などの自然災害対策訓練の商用化事例としては、日本で初の取り組み」だという。

 南海トラフ巨大地震は、約90年から約150年間隔で発生している、東海・東南海・南海エリアが震源域になると想定される地震。内閣府が2013年に発表した南海トラフ巨大地震対策についての最終報告によると、今後30年で発生する確率は60〜70%にも上る。和歌山県が2013年3月に公表した、南海トラフ巨大地震の想定では、地震の規模がマグニチュード9.1、最大津波高は8メートルから19メートル、最短津波到達時間は津波高1メートルで3分とされている。これを前提に、津波浸水域を明示したハザードマップの公開や、津波避難先の見直し、津波から逃げるための支援プログラムの策定など、さまざまな対策が各所で進められている。

JR紀勢線の沿線 風光明媚な景色が広がる紀勢線の沿線。眼下に海が広がる景色は、津波の被害と表裏一体の関係にある

JR西日本 和歌山支社がVRでの訓練を導入する理由とは

 JR西日本管内の和歌山県和歌山から、JR東海が管轄する三重県の亀山までを結ぶ、総延長384.2キロのJR紀勢本線の中でも、和歌山支社が管轄する和歌山駅−新宮駅間(きのくに線)の約200キロは、海沿いを走る区間も多く、南海トラフ巨大地震が発生した場合、およそ3分の1にあたる約73キロが津波によって浸水すると想定されている。特に新宮駅から白浜駅のエリアには、5分以内に10メートルを超える津波が押し寄せるとされており、津波が発生した際など、いざというときの乗客の避難誘導や乗務員の安全確保は、喫緊の課題となっている。

南海トラフ巨大地震が発生した場合、和歌山県沿岸には5分以内に10メートルを超える津波が来る可能性がある 南海トラフ巨大地震が発生した場合、和歌山県沿岸には5分以内に10メートルを超える津波が来る可能性がある
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