シアトルの「らーめん山頭火」がロボット導入 待ち時間が楽しくなる“おもてなし”Surface Hubも使用

米シアトルにオープンした「らーめん山頭火 University Village店」に、おもてなしロボットが登場。店頭で来店客を迎え、ラーメンの文化や商品をインタラクティブに紹介する。

» 2017年08月08日 17時55分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 和食を海外に展開するPlenty USAが、2017年8月5日(現地時間)に米シアトルでオープンした「らーめん山頭火 University Village店」。同店では、人と空間を認識するAIサイネージと連携するおもてなしロボットが来店客を迎える。

 来店客は、店舗入り口のウェイティングスペースに設置されたロボットとコミュニケーションを取りながら、北海道から始まった「らーめん山頭火」のストーリーやアイヌ文化、そして商品について、楽しくかつインタラクティブに知ることができる。

Photo 店頭での待ち時間を楽しくするために生まれた同サービスは、米国ではまだあまり例がなく、家族連れを中心に好評を得ているという

 このシステムは、ヴイストン製のコミュニケーションロボット「Sota」と、55インチのマルチタッチ式大画面ディスプレイ「Microsoft Surface Hub」で構成する。Plenty USAとロボットアプリ開発を手掛けるヘッドウォータースが共同開発した。

 Surface Hubには、専用開発したアプリを搭載。パネル上で来店客がコンテンツを選んでドラッグ&ドロップすると、動画や画像が表示される。パネルには2つのHDカメラが内蔵されており、「Microsoft Azure」のAI機能「Cognitive Services」の「Face API」によって、カメラが捉えた来店客の特徴(年齢、性別など)や、待合状況の人数による空間自動解析を実施。パネルの横に設置されたロボットSotaが、自動解析したデータを基に、約200パターンのレコメンドパターンに自動分類し、音声でレコメンドを行うという。

 ロボットが発話する内容、商品コンテンツ、レコメンデーション内容は、ヘッドウォータースが開発するクラウドロボティクスサービス「SynApps(シナップス)」で管理しており、Microsoft Cognitive Servicesの「Bing Speech API」を活用して英語音声での発話を実現。「Azure IoT Hub」を活用して、ディスプレイとロボットのデータ連携もSynAppsで一括制御しており、タッチパネルで商品がどれだけ選ばれているかなどのデータ分析も可能だという。

 両社は今後、Microsoft Surface Hubから得られる来店客のデータとPOSを連動させ、マーケティングデータとして活用していく考えだ。また、接客におけるフルオートメーション化を視野に、さらなるコンテンツの開発に注力していくとしている。

関連キーワード

ロボット | Microsoft | Surface Hub | Microsoft Azure


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ