麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
プラズマテレビの逆襲(1/4 ページ)
薄型テレビ市場で、店頭映えのする液晶テレビにやや押され気味の感があったプラズマテレビだが、いよいよ逆襲に転じる時が訪れたようだ。
今年の初頭は、ソニーなど大手メーカーのプラズマ事業からの事実上撤退といった報道で前途に暗雲が漂い始め、さらにプラズマの独壇場と言われていた50インチ超での液晶の新製品投入、そしてリアプロTVの台頭など、プラズマを取り巻く環境は厳しくなっていた(「プラズマテレビは生き残れるか」を参照)。だが、“世界最高輝度”の日立製作所「Wooo 8000シリーズ」、4000:1の高コントラストで黒を引き締めたパイオニア「ピュアビジョン」など、7月に発表されたプラズマ新製品が、メディア関係者からかなり高い評価を集めている。
そして“プラズマの大御所”松下電器産業が、先週8月25日に満を持して新プラズマ「VIERA」を発表。99万円のフルHD対応65V型と“1インチ1万円”の戦略価格モデルで業界を大いに驚かせた。一部では「年末商戦プラズマ圧勝」の声も聞かれるほどだ。
オーディオビジュアル評論家の麻倉怜士氏が、鋭い視点で業界を斬る月イチ連載「デジタル閻魔帳」。今回は、逆襲に転じたプラズマテレビの魅力について、最新情報を交えながらじっくり語ってもらった。
――松下のフルHD対応65V型プラズマが話題になっています。あらためてフルHDの流れを教えて下さい。
麻倉氏: ハイビジョン対応の薄型TVが出て5年ぐらい経ちますが、ここにきてフルHD(1920×1080ピクセル)対応が注目されていますね。フルHDの映像世界でまず先鞭をつけたのはフロントプロジェクターで、2003年にソニー「QUALIA 004」が出たのち、翌2004年3月には日本ビクター「DLA-HD2K」が、2004年11月には富士通ゼネラル「LPF-D711」が発表されました。次に液晶テレビがフルHD化を果たし、2004年5月には三菱電機が37V型のフルHD液晶テレビを発表、そしてシャープが2004年6月に45V型、今年6月には65V型を市場に投入しました。リアプロTVも、今年2月にソニーから「QUALIA 006」が出て、米国市場ではDLPを使ったフルHDリアプロTVが登場しています。そして今回、ようやく松下がプラズマでフルHD化を果たしたというわけです。それ以前にもSamsungやLG電子などが80インチ超でプラズマのフルHD化を行ってますが、価格/サイズからも今回の松下65V型が現実的な家庭用テレビでのフルHDプラズマ1号機といっていいでしょう。
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