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注目記事で今年を振り返る(上半期編)(2/3 ページ)

» 2007年12月21日 20時19分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

3月――新ウォークマン登場、六本木に新名所

 1月のMacworldでは「iPod」の新製品は発表されなかったが、ライバルのウォークマンは3月に新製品「NW-A800」シリーズを投入した。「薄型カードタイプ」「動画再生対応」「フラッシュメモリ」と売れ筋要素をバランスよく備えるほか、高音質なイヤフォンも付属しており好評を博した。

 注目製品としては、「レンズ交換式デジタル一眼レフカメラとしては世界最薄・最小・最軽量」をうたって登場したオリンパスの「E-410」を挙げない訳にはいかないだろう。400グラムにも満たない軽量なボディはコンパクトデジカメにも劣らない軽快感を演出しており、価格もレンズキットで10万円以下とお手ごろ。デジ一眼ブームを加速させた製品のひとつといっていいだろう。

photophoto ソニー「NW-A800」(左)、オリンパス「E-410」(右)。いずれもロングヒットを記録している

 3月も末、3月30日には六本木に新名所「東京ミッドタウン」が開業した。オフィスビルを中核としながらもファッションやグルメ、アートの要素を満遍なく備えた注目のスポット。開業日には都営大江戸線が特別列車を運行したことは意外に知られていないかもしれない事実だ(といっても、光が丘方面へ1本増発されたにすぎないのだが……)。

photo 3月30日にオープンした東京ミッドタウン

4月――ソニーと東芝が有機ELテレビの製品化を発表

 4月12日に行われた「国際フラットパネルディスプレイ展」(Display 2007)でソニーの井原勝美氏が有機ELテレビの年内発売を公言。「明確な時期は約束できない」としながらもキッチリと12月に「XEL-1」として販売開始されたのは承知の通り。20万円という価格をどうとらえるかは評価が分かれるところだが、採算度外視という声も聞こえる。先進的というイメージを打ち出す戦略であるという声もあるが、同社が有機ELの将来性を評価しているのは間違いないだろう。

 同日には東芝の西田厚聰氏が家庭用テレビ向け有機ELを2009年にも市場投入する考えを明らかにしたが、その後、携帯電話やカーナビへの搭載を目指す中小型サイズの製品化を先行させる判断が下され、「東芝製有機ELテレビ」の登場は延期されてされてしまった。東芝ではテレビ向けパネルの開発は継続しているとコメントしているが、ソニーが先行したことは間違いない。有機ELテレビを巡る両社の動きは非常に対照的といえる。

photophoto Display 2007で展示されていたソニーの有機ELテレビ。これが後のXEL-1となる(左)、東芝松下ディスプレイテクノロジーの21型(20.8型)低温ポリシリコン有機ELディスプレイ(右)

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI) 久夛良木健会長兼グループCEO(最高経営責任者)の退任が発表されたのも4月の出来事。現在も名誉会長として同社にかかわっているが、一線からは身を引いている。結果としてはプレイステーション3の立ち上げを見届けて退任となった訳だが、仮に久夛良木氏が陣頭指揮を執っていたら任天堂「Wii」のヒットに対してSCEIはどのような対抗策をとっただろうか?

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