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マニュアル派にもうれしいメガピクセル3板機 「HDC-HS300」特集 春のフルHDビデオカメラ(7)(2/2 ページ)

» 2009年03月04日 16時59分 公開
[都築航一,ITmedia]
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マニュアル撮影にこだわる向きにもうれしい

photo

 こうしたカメラ任せの撮影も十分楽しいが、フォーカスやシャッター速度、絞り値といった設定を自分で調整しながらの画を作りこむ楽しさも、HDC-HS300の魅力の1つ。液晶モニターのヒンジ近くに用意されたFUNCTIONボタンを押すと、オートモードからマニュアルモードへと切り替えることができ、シャッター速度、カメラの明るさ(絞りとゲインアップが連動)、ホワイトバランス、フォーカスを意のままに操ることが可能になる。

 何より、マニュアルフォーカスをレンズ鏡筒部分のリングで調整できるのがこだわり派にはうれしいところだろう。フォーカス操作を行なうと画面中央部が拡大され、ピントの山をつかみやすくなるのもありがたいし、リングの粘りも適切で、気持ちよく操作できる。なお、このリングはオートフォーカス時にはズームやアイリス、ホワイトバランス、シャッター速度の設定にも使えるマルチマニュアルリングとして機能する。

 また、細かいところでは、手ブレ補正機能のオン/オフを行う専用ボタンが用意されているのも今回の特集で紹介した製品では本製品だけだ。三脚にのせたときは、補正によりかえって動きが不自然になる場合もあるため、手ブレ補正はぜひオフにしたいので、三脚を多用する向きにはこちらも外せないポイントといえる。

photo 画面に対してアイコンはやや大きめ

 ただ、液晶モニターを見ながらの撮影時は、フォーカス以外のマニュアル設定はタッチパネルで操作する必要があり、この操作感はいまひとつ。各項目がアイコンで表示されるのはわかりやすいが、アイコンが画面を占有する割合が大きいのだ。操作音をオフにすると、パネルに触れた際のクリック感を感じにくいのも惜しい。液晶モニターを閉じてファインダーをのぞくようにすれば、マルチマニュアルリングが使えるようになるので、好みに合った操作方法を選択したい。

 なお、液晶モニターは明るく見やすいものの、解像度はフルHDビデオカメラとしてはまだまだ粗い印象で、誤ってマニュアルフォーカスのまま撮影を続けるようなミスが起きないとも限らない。そこで、オートモードではマニュアルフォーカスが無効になるよう配慮がなされているほか、おまかせiAボタンをオンにするだけで、マニュアルモードからオートモードに切り替わるのも親切だ。

 インターバル撮影やテレマクロ、1080/24pで記録する「デジタルシネマ」といった付加機能も盛り込まれ、表現の幅も広い。HDC-HS300は、優れたオートモードとこだわりのマニュアル機能を高いレベルで両立させているのが最大のポイント。カメラ好きなお父さんが「私も使うけど、面倒な操作はしたくない」というお母さんを説得できるだけの内容を持った1台だ。

作例

 静止画はアスペクト比3:2(3984×2656ピクセル)で、動画は最高画質モードの「HG」(1920×1080ピクセル)で撮影した。設定のカスタマイズは行わず、おまかせiAも有効としたフルオートで撮影している。

静止画(3984×2656ピクセル)
静止画(3984×2656ピクセル)
HGモード(1920×1080ピクセル)からのスクリーンショット。噴水を背景に女性を撮影したところ、「おまかせiA」をオフにしていると噴水にAFと色再現を合わせる傾向にあったが、オンにすると「顔認識モード」を作動し、顔を中心としたAF/色再現が行われた
HGモード(1920×1080ピクセル)からのスクリーンショット。おまかせiAによって「ローライト」と認識されたが、低照度の被写体にはさほど強くない印象を覚える。ただ、雰囲気は上手に再現しているし、感度を上げすぎないのには好感が持てる
HGモード(1920×1080ピクセル)からのスクリーンショット。露出オーバー気味なのは残念だが、既存モデルからすると精細感の向上は著しいものがある
HGモード(1920×1080ピクセル)からのスクリーンショット。渋めなように見える色彩だが、青かぶりもなく実物の印象には近い。いわゆる「パナっぽい」色を感じさせないニュートラルさが印象的

モデル:TargetTVリポーター 駒谷仁美(こまたに ひとみ)

1988年12月16日生まれ。 サンミュージックブレーン所属

本人の公式ブログ「ひよこのひいちゃん」公開中。


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