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“何でもできる”お手ごろ高倍率ズーム機――ペンタックス「PENTAX X70」レビュー(1/4 ページ)

» 2009年06月03日 11時48分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
X70。カメラっぽいオーソドックスなボディだが、他機種と比べてみるとちょっと小ぶりで軽い

 広角から超望遠、無限遠から1センチマクロ、人を撮らせたら顔検出にスマイルキャッチにまばたき検出があり、連写させたら最高秒11コマ。とまあ、何でもできる「全部入り」がペンタックスの「PENTAX X70」(以下、X70)である。

 さらに大きさと重さに注目。

 20倍ズームがソニー「DSC-HX1」とキヤノン「PowerShot SX1」 「PowerShot SX10IS」、24倍ズームがニコン「COOLPIX P90」とペンタックス「PENTAX X70」、26倍ズームがオリンパス「SP-590UZ」と2009年春モデル高倍率ズーム機が揃ったわけだが、その中でもっとも軽いのがこのX70(撮影時重量で約410グラム)。持ち歩いてみると確かに高倍率ズーム機としては軽くてコンパクトだ。

高倍率ズームと連写機能

 機能はてんこ盛りだが、やはりその魅力は高倍率ズームにある。一般的な広角よりさらに少しだけ広い26ミリ相当から624ミリ相当(いずれも35ミリ換算)を越える超望遠をこのコンパクトさで楽しめるのはすばらしい。明るさもF2.8〜5.0とまずまず。レンズスペックは先日紹介したニコンの「COOLPIX P90」と酷似している。

 ワイド端での樽型ゆがみはほとんどないが、これは内部でデジタル補正を行っているからだと思う。撮像素子は1200万画素で、CCDシフト式の手ブレ補正機構を搭載している。

電源を入れ、フラッシュをポップアップし、レンズをテレ端まで伸ばして見た(写真=左)、高倍率ズーム機で気になるのはレンズキャップだが、X70は先端にかぶせるだけのシンプルなもので、電源を入れると鏡胴に押し出されてスコッとはずれる。よってレンズキャップはストラップでこのようにとめておくこと(写真=右)
真正面から。結構精かんな一眼っぽい形になっている(写真=左)、上面から。グリップ部の上にシャッターとズームレバーが。電源スイッチはオンにするとこのように緑色に点灯する。モードダイヤルはオートに加えて、シーン、スポーツ、手ブレ軽減が用意されている(写真=右)

 ボディはオーソドックスなスタイルで、シャッターボタンやズームレバーの感触はやや心もとないが、グリップは凹みがしっかりしていてホールドしやすい。

背面。ディスプレイ右上の電子ダイヤルは、撮影時は露出系に、再生時は拡大/縮小の操作に使う。右下にあるグリーンボタンはFnキーとして使うこともできる。顔検出キーは、顔検出のオンオフとスマイルキャッチを切り替える

 操作性はなかなかいい。特に背面右上の親指が当たる位置に電子ダイヤルがあり、絞りやシャッタースピードのほか、上面の露出補正ボタンと組み合わせれば露出補正ができるのはよい。背面には十字キーのほか、顔検出ボタンや設定をフルオートにするグリーンボタンがある。

 ISO感度やホワイトバランスを直接変更するボタンがないが、このグリーンボタンをFnキーに割り当てれば、グリーンボタン+矢印キーでショートカットできる。初心者はグリーンボタン、中級者はFnキーとして使うのがいい。

 ISO感度は100〜6400だが、1200万画素で使えるのはISO1600まで。ISO感度オートでは増感時の上限を決められる。画質を考えるとISO400あたりがよさそうだ。液晶モニタは3インチで23万画素と標準的なものだ。

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