もう1つ、パナソニックが3Dプラズマで「クロストークキャンセラー」と呼ばれる機能を採用しました。これは、左右のフレームを書き替える際、液晶が応答しきれないことを前提に、表示する映像に対してクロストークを打ち消す補正をあらかじめかけておくというものです。こちらの効果にも期待ですね。
今年は、おそらくパッシブ方式(偏光メガネを使用)の3Dテレビが出てきますし、秋には大画面のグラスレス3Dテレビも登場する見通しです。また、有機ELパネルを使用したソニーの「3Dグラストロン」(勝手に命名)のようなゴーグル型のディスプレイも出てくるでしょう。3Dを見る手段、環境、技術がより多様化し、ある意味で面白く、ある意味では混乱といえるかもしれません。その予兆といえる動きがこの春は顕著でした。
――画質や3D以外で注目している動きはありますか?
内蔵チューナーの数は着実に増えています。日立コンシューマーエレクトロニクスは、“Wooo”の「XP07シリーズ」に3基の地上デジタルチューナーを搭載し、2番組同時録画を行いつつ裏番組の視聴を可能にしました。東芝“REGZA”のZシリーズも同様ですが、Woooではさらに2番組同時の長時間録画も可能です。
一方、Blu-ray Discレコーダーにも同じ流れがあります。昨年はシャープが2チュナー+スカパー!HD録画で3番組同時録画を可能にしていましたが、今年はパナソニックが3チューナー+スカパー!HD録画の4番組同時録画を打ち出しました。チューナー数は確実に増えています。レコーダーや薄型テレビ内蔵という形で、“全録”に向かっているようです。全録は、これからのテレビを面白くするポイントだと思います。
さらに東芝の「レグザAppsコネクト」、日立の「Woooおすすめ番組」など、録画を支えるネットワークサービスも登場しています。単純に録画番組を増やすのではなく、ユーザーの好みやニーズに合わせた“エアチェックマネジメント”です。
一方、4K2K対応の超解像技術やグラスレス3D、アクティブレンチキュラー技術を採用する3Dテレビなどにも注目です。そしてスマートテレビ。「Google TV」はまた出てきていませんが、タブレット端末との連携など“スマート化”の流れもテレビの方向性として考えられると思います。夏以降は“テレビの新時代”が始まるかもしれません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR