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テクニクスの歴史と新製品への意気込みを感じるパナソニックブースIFA 2014

» 2014年09月08日 11時13分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 9月5日(欧州時間)よりドイツのベルリンで開催されているIFA 2014。今年のパナソニックブースのメインはやはり復活した「Technics」(テクニクス)ブランド。会期前日に行われたプレスカンファレンスでも目玉発表として大々的にフィーチャーされていたが、展示ブースもその意気込みを感じられる構成になっていた。

パナソニックブースでは復活したテクニクスブランドの専用コーナーが設けられ、ブース内の一角を占めている。ブース以外のIFA会場内にも「Rediscover Music / Technics」のキャッチを冠した会場誘導案内がみられ、テクニクス復活を全面プッシュしている様子がうかがえる

テクニクスコーナー入り口には同ブランドを刻んできた過去の名機を展示するウォールが設置され、2014年のブランド復活までの歴史を振り返ることができる。そして年表の最後の部分から最新製品を展示する部屋へ……という趣向だ

 例年、パナソニックはIFAで同じ展示ホールを押さえており、ブース構成もほとんど変化ないが、今年は商談ブースの一部を移動してテクニクス専用コーナーを設置しており、高級オーディオにかける意気込みの一端を見ることができた。パナソニックブースの入り口付近にくると、まず「Rediscover Music / Technics」のサインが見え、メイン会場とTechnicsコーナーに分岐する通路が見えてくる。ここでテクニクスコーナーへと進むと、これまでの主要なテクニクス製品を過去のものから順番に紹介するヒストリーウォールが登場し、その通路を抜けると今回発表された新製品が並ぶエリアへと誘導されるという趣向だ。ここにはスピーカーや回路基板を分解した技術展示コーナーも設けられ、その世界を体感できる。


今回発表された最新のテクニクス製品群。プレミアムクラスの「C700シリーズ」とリファレンスクラスの「R1シリーズ」が発表された。R1シリーズは、システムトータルで約500万円程度という高級機

スピーカー構造や回路基板を紹介するコーナーもある

 一方で従来どおりのメインの展示コーナーの中核は4Kテレビで、今年末欧州に投入されるモデルを並べたディスプレイウォールが来場者を出迎えてくれる。今回のメインはこの4Kテレビの欧州向けハイエンド機ということになるが、同時にパナソニックでは「コンテンツクリエイション」をキーワードに映像制作機器の展示に力を入れており、とくに今回は4Kカムコーダーに注力してコンテンツ制作者に向けてアピールしていた。展示コーナー中央部にはモデルが配置された専用の撮影ブースが4つ設けられており、この前に4Kカムコーダーが多数設置され、来場者がその性能を体験できるようになっている。写真では分かりにくいが、4Kテレビが並んだディスプレイウォール手前には4Kカムコーダーが置かれており、「視聴」と「制作」の両面をアピールしている。

恒例の展示コーナーでは欧州向けの4K製品が紹介されている。中央の最も大きなパネルサイズを持つ2つの製品が直下型バックライトを採用したハイエンド機「AX900」「AX940」

今回のパナソニックは技術展示はさることながら、4Kによるコンテンツクリエイションに力が入っている。ブース中央部にはモデルが配置された撮影コーナーが設置され、これを多数用意された4Kカムコーダーで撮影できるようになっていた
曲面4K有機ELテレビの展示。サイズは55インチ

 また余談だが、IFAパナソニックブースの約半分は例年、調理家電や白物家電の展示コーナーとなっている。今年は特に白物家電コーナー中心部に大きなステージが設けられ、調理家電のデモストレーションを兼ねて和食が来場者に振る舞われており、多くの人の目をひいていた。

IFAのパナソニックブースは、毎年全体の半分程度は調理家電や白物家電のスペースが占めている。今回はそれがさらに顕著で、ブース中央には「Cooking Arena」というイベントスペースが設けられ、来場者に和食が毎時間ごとに振る舞われている

 IFAは家電の総合展示会であり、実は調理家電のみが集められた専用ホールが6つほど存在する。このエリアでは調理家電の実演を兼ねて料理が来場者に振る舞われており、特に親子連れが増える週末の土日は多くの人が集まって歩く隙間もないほどだ(IFAは一般来場者が気軽に駅の自動販売機で入場券を買えるようになっており、週末は来場者が多すぎてブース取材はほとんど不可能に近い)。テレビなどAV機器もさることながら、こうした白物家電でのアピールも欧州市場向けには重要かもしれない。

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