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» 2014年10月15日 13時02分 UPDATE

“ナノコンポ”の小型プリメインがDSD再生をサポート、オラソニック「NANO-UA1a」登場

オラソニックから“ナノコンポ”シリーズの新製品「NANO-UA1a」が登場した。型番はマイナーチェンジのように見えるが、実は「中身は全く違う」という。

[ITmedia]

 Olasonicブランドのオーディオ機器を展開する東和電子は10月15日、“ナノコンポ”シリーズの新製品「NANO-UA1a」を発表した。USB-DACを内蔵した小型のプリメインアンプ。プラチナホワイトとシルキーブラックの2色を11月下旬に発売する。価格は8万円(税別)。

ts_nanoua01.jpg DSD再生に対応した「NANO-UA1a」

 昨年発売したナノコンポ第1弾「NANO-UA1」の後継機。CDケース3枚分というサイズやデザインはそのままに、5.6MHzまでのDSD再生に対応するなど中身をグレードアップした。型番の“a”はマイナーチェンジを想起させるが、同社の山本喜則社長によると、「中身は全く違う。DSD再生をサポートしたほか、これまでに蓄積したノウハウを投入している」と話す。なお、型番については、「ナノコンポはロングライフの製品を目指しているので、UA1という型番を残したかった」と説明している。

ts_nanoua05.jpgts_nanoua06.jpg CDケース3枚分というサイズやデザインはそのまま。薄型のリモコンも変わらない

 実際に中身はどう変わったのか。まずUSB入力回路は従来からアシンクロナス伝送をサポートしていたが、代わりのクロックを生成する発振器が従来機の1つから3つに増えた。ハイレゾ音源の44.1kHz系と48kHz系にそれぞれ合わせたクロックを作り出すために2個、さらに光/同軸のデジタル入力用に44.1kHz/48kHz兼用のクロックを設けている。

ts_nanoua04.jpg 背面にはUSB端子のほか、同軸、光デジタル入力を装備

 音質への影響が大きいボリューム回路も変わった。従来機はレートコンバーターデバイス(SRC 4392)内蔵のデジタルボリューム機能を使っていたが、「クオリティーを考えるとアナログボリュームの方が良い」と判断。「アナログボリュームには新日本無線のMUSEを採用する製品も多いが、今回はあえてバーブラウンのPGA2310というアッテネーターデバイスを採用している。2001年からある古いデバイスで、当時はあまり注目されたなかったが、試してみてクオリティーの高さが分かったからだ」。

ts_nanoua03.jpg バーブラウンの「PGA2310」

 プリント基板は、従来の2層両面実装タイプから4層に強化した。4層のうち1層はアースラインとなり、もう1層を電源供給に使用する。狙いはアースの強化によるクオリティーアップだ。

 近年のヘッドフォン/イヤフォンブームに対応するため、ヘッドフォンアンプ部も作り直した。従来はオペアンプだけの構成だがったが、今回は専用のディスクリート回路とオペアンプを併用するハイブリッドタイプ。「オペアンプの高精度な増幅にディスクリート回路のドライブ力を加えたAB級アンプとした。48ミリワット(300オーム)まではA級動作で、それ以上はAB級動作となる」。

 電源部には低インピーダンスの電解コンデンサーを採用して強化。さらに独自のSCDS(Super Charged Drive System)部も構成を変えている。SCDS方式は、音楽信号の波形が小さいときに余った電気をため込み、大きな波が来たときに放出することで、小さな電源でも大きなパワーが取り出せるというもの。従来機では2200μFの大きなケミコンを使っていたが、今回は複数のケミコンを組み合わせて3万μFを実現した。

ts_nanoua02.jpg SCDS部の違い。左のUA1では大きなケミコンを使用しているが、UA1aは複数のケミコンを組み合わせた

 ただし、こうした改善はカタログスペックには現れにくい。周波数特性や定格出力は従来機と同じだ。「それでも、音量をあげた時にもパワー不足を感じることはなくなり、音も確実に変わっている」という。「ハイレゾ再生が注目され、とくに高域まで延ばすことが重視される傾向にある。しかし、高域だけではなく低域もしっかりしないと“音の感動”は生まれにくい。NANO-UA1aでは、低域増強とともに情報量増やし、分解能も高めるという音を目指した」(山本氏)。

 一方、検討した末に従来と同じ仕様に落ち着いた部分もある。例えばDACはバーブラウン(TI)の「PCM 1792」で、オペアンプは「OPA2132」、パワーアンプは「TPA 3118」といったデバイスだ。とくにPCM 1792に関しては、「ゼロベースで競合製品と聴き比べたが、やはりこれが一番良かった」と話している。


 DSD再生やヘッドフォンアンプの強化など、市場のニーズに合わせたグレードアップを果たした「NANO-UA1a」。同社では、10月17日から「TIME 24」で開催される「オーディオ・ホームシアター展」で新製品をお披露目する予定だ。

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