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ダイソン、未来の二次電池“全固体電池”実用化に向け米バッテリー開発ベンチャーに出資

» 2015年04月06日 17時28分 公開
[ITmedia]

 英Dysonは4月6日、米国ミシガン州のバッテリー開発ベンチャー、Sakti3に1500万ドル(約18億円)を投資すると発表した。このパートナーシップには、Sakti3の全固体電池(solid-state battery)技術を実用化し、将来のダイソン開発製品へ搭載するための共同開発も含まれる。

Sakti3のWebサイト

 ダイソンは、現在開発中の4つの新しいテクノロジーポートフォリオにより、今後4年間で100種類の新製品を市場に投入する野心的な計画を発表済み(→関連記事)。今回の投資はその計画を大きく前進させるものになるという。

 全固体電池は、リチウムイオン電池のエネルギー密度を遥かに超える次世代型の二次電池として世界中で研究が進められているもの。現在のリチウムイオン電池に使用されている電解液を固体電解質に置きかえることで、高いエネルギー密度と小型化を実現するという。

 Sakti3はミシガン大学発のベンチャー企業で、全固体電池の研究開発においてはバッテリー密度で現在最高となる1100Wh/l以上を実現。これは現在の液体リチウムイオン電池の約2倍に相当する数字だ。同社への出資企業には、ダイソンのほかにコスラベンチャーズ、ベリンジア、ゼネラルモーターズベンチャーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズが名を連ねており、期待値の高さが伺える。

 Sakti3の創業者でCEOを務めるアン・マリー・サストリー博士は、「Sakti3のバッテリー技術開発はまだ初期段階だが、この新しい開発プラットフォームにはエネルギー密度を飛躍的に向上させる可能性がある。電気自動車や再生可能エネルギーの貯蔵、技術の小型化が見込まれるほか、まったく新しい用途を生み出す可能性も秘めている。この技術は最初にダイソンとともに市場に出ていくことになる」とコメントしている。

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