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ボーズ初のNFC対応にデザインも一新! 「SoundLink」のアラウンドイヤーヘッドフォン“第2弾”を聴くワイヤレスで行こう!(2/2 ページ)

» 2015年10月13日 16時34分 公開
[山本敦ITmedia]
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ワイヤレス再生のサウンドを聴いてみる

 今回はソニーのウォークマン「NW-ZX1」に接続してサウンドをチェックした。NFCの接点を近づけるとチャイムが鳴って、「NW-ZX1に接続されました」とボイス・プロンプトが声で知らせてくれる。iPhoneなどNFC非対応の機器と一緒に使う場合も、従来通りBluetoothをオンにしてから、リストに並ぶヘッドフォンの名前をタップして選ぶだけだ。

今回はソニーのウォークマン「NW-ZX1」や「Xperia Z2」で試聴を行った

 なおボイス・プロンプトの言語を変更したい場合は、ヘッドフォンを装着したまま右側イヤーカップの側面に設けられた3つのボタンのセンターにある「マルチファンクションボタン」と、その上のボリューム「+」ボタンを5秒間押し続けるとメッセージが流れるので、使用したい言語を「+/ー」ボタンで選んでからマルチファンクションボタンで決定する。対応言語は英・仏・中・日など全11言語を収録している。

 ジャズギタリスト、小沼ようすけのアルバム「GNJ」から「Jungle」では、安定感抜群のベースラインに濃厚なエレキギターのメロディが絡み合う。弦が爪弾かれて生まれる音の弾力感や、パーカッションの乾いたイメージがとてもリアルによみがえる。ドラムスはキックの立ち上がりが鋭い。

 オーケストラも弦楽器のハーモニーの抑揚と広がり感が心地良い。コントラバスの低域や打楽器のリズムは量感、切れ味ともによく、演奏の緊張感を引き立たせる。小音量で展開する木管楽器のソロも音にふくよかな厚みがあり、ある程度騒音があるアウトドアでのリスニング時にも埋もれることなくハッキリと聴き取れる。金管楽器など高域の旋律は輪郭を少し太めに描く傾向だ。

 マイケル・ジャクソンのロックアルバムでは低域のリズムを分厚く描きながら、ボーカルやギター、ピアノなどメロディラインを担当する楽器の音とのセパレーションも良好だ。音色はストレートで無駄な色づけもない。ただボーカルのハイトーンにもう少し鮮やかさがほしいところ。全体に強く前に押し出してくるような音像感は、アウトドアリスニング向けのチューニングとしては文句なしといえるかもしれない。

 なお本体からのリモコン操作はAndroidウォークマンである「NW-ZX1」以外にも、iPhoneやAndroidスマートフォンにもつないで試してみたが、誤操作はなくレスポンスも機敏。通話音声の明瞭さも確認できた。

 ウォークマンでAWAの音楽配信コンテンツを再生しても、リモコンは正確にレスポンス良く反応してくれた。島谷ひとみのボーカルは甘やかな声の繊細な部分を少しふくよかに描く傾向。余韻の広がり方がとても芳醇だ。それでいて声の芯がブレることなく、定位感は力強い。重心が低く、安定感の高い演奏だ。きゃりーぱみゅぱみゅの「CANDY CANDY」では、打ち込みのベース音によるリズムの破裂音を強く、軽やかに再現。スピード感あふれるビートが心地良い。ボーカルの声は彩りが鮮やかで、厚みもしっかりとあるエネルギッシュなサウンドだ。

アウトドアリスニングはさすがの安定感

 音質についてはアウトドアでの再生時に心地よいリスニング感を再現することを狙っているように感じられた。力強い低域と、ボーカルなどミッドレンジのエッセンスを濃厚に引き出す傾向だ。「QuietComfort 25」のようなアクティブ・ノイズキャンセリング機能が搭載されていないのに、密閉度の高いハウジングとイヤーパッド、厚みのある音づくりによって、ノイズキャンセリングヘッドフォンと変わらないほど音楽リスニングに集中できる環境が得られた。

 ボーズにとっては新たなチャレンジとなるNFC対応を実現したことで、主に再生機器とのペアリングが簡易化されて使い勝手がいっそう向上した。ワイヤレスオーディオ再生のトレンドに後れをとることなくしっかりと追従してきたといえる。

 いまワイヤレスヘッドフォンの先端を行くトレンドとしては、アクティブ・ノイズキャンセリング機能も一体化した“全部入り”の上級モデルを各ブランドがそろえつつある。アクティブタイプのノイズキャンセリング・ヘッドフォンといえばボーズは先駆的なブランドだが、QuietComfortシリーズのノウハウを組み込んだワイヤレスヘッドフォンもこの先期待したくなる。

非常に柔軟なアームが心地良い装着感の実現に一役買っている

 またポータビリティの点では、イヤーカップの付け根=アームとスライダーの接合部分でパキっと折り曲げて、よりコンパクトな形にしてキャリングポーチなどに収納できる“フォールダブル”なポータブルヘッドフォンも増えている。今回のボーズの新製品はヘッドバンドがとても柔軟な素材で作られていて、本体も非常に軽量だが、折りたためる形状にはなっていない。QuietComfort 25の場合は、イヤーカップの付け根の箇所でもう一段折りたたむことができるので、できれば本機でもそこまでのコンパクト設計に踏み込んでほしかった。

付属品はソフトケースに、充電用のmicroUSBケーブルと有線リスニング用のオーディオケーブル

 とはいえ、身に着けていると自然に耳の側で音楽が鳴っているような心地良いリスニング感とフィット感から、ボーズのワイヤレスヘッドフォンが次の高みに到達したことを実感できた。これからさまざまな生活シーンでの音楽リスニングをサポートしてくれるに違いない。

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