東京・秋葉原の「ベルサール秋葉原」で12月19日(土)、「第七回ポータブルオーディオフェスティバル2015」(ポタフェス)が開幕した。世界各国から200ブランドを集めたポータブルオーディオの体感イベントだ。そのオープニングを飾ったのは、米JH AudioのJerry Harvey氏だった。
晴天に恵まれつつも、時折冷たい風が吹きぬける1階ステージ。11時の会場と同時にAstell&Kernブランドの発表会がスタートし、Jerry Harvey氏が壇上に上がった。同氏はロックバンド「Van Halen」(ヴァン・ヘイレン)のドラムス、 Alex Van Halen氏にステージで使えるインイヤーモニター(IEM)の技術を提供したのがきっかけでカスタムIEM制作を手がけるようになり、Ultimate Ears、JH Audioという2大カスタムIEMブランドを立ち上げた。現在までに多くのアーティストにカスタムIEMを提供しており、その中にはレディ・ガガなど著名人も多く含まれている。
そのJerry Harvey氏がAstell&Kernとのコラボレーションで手がけた新製品は、「LAYLA II」「Angie II」「Roxanne II」「ROSIE」の4機種。通常のイヤーチップを装着し、誰でも使えるユニバーサルタイプ(カナル型イヤフォン)で、バランスド・アーマチュア型ドライバーを多数使った豪華な構成だ。アユートによると、いずれも2016年1月の「International CES」で正式発表される予定のため、世界に先駆けて日本でお披露目したことになる。
ステージでは、各モデルについて、開発者本人の口から開発意図と音作りが語られた。まず「LAYLA II」は、バランスド・アーマチュア型(以下BA型)ドライバーを低域、中域、高域にそれぞれ4基使用した12ドライバーモデルで、それは従来機と変わらない。ただし「従来のLAYLAはカーボンファイバーとチタンのハウジングを使っていたが、今回はチタンの塊から削り出した」(Harvey氏)。サウンドの傾向は変わっていないという。
「Angie II」は、高域に4つ、中低域に各2つのドライバーを用いた8ドライバーモデルで、「前回のシェルから今回はアルミニウム削り出しに変わった。音導口まですべてアルミだ」(同氏)。
「Roxanne II」については、音のチューニングが変わったという。「Roxanneは高域がLAYLA寄りのチューニングになり、ハウジングも切削加工のフルメタルジャケットになった。しかしロック向けという点は変わらない」。12ドライバーという構成は従来機と同じだ。
「ROSIE」は、各帯域に2つずつドライバーを使用した6ドライバーモデル。「高域はLAYLA寄り、低域はRoxanne寄り。両モデルを掛け合わせたようなチューニングにしている」。また削り出しのカッパー(銅)とアルミ、カーボンファイバーを組み合わせたハウジングも特徴だ。
なお、同社のモデル名は著名ミュージシャンやその楽曲をモチーフにしていることで知られているが、ROSIEはAC/DCの「Whole Lotta Rosie」がもとになっているという。
4製品の発売時期や価格は未定。Astell&Kernブランドを取り扱うアユートでは、「1月に正式発表を行いたいので、もうしばらく待ってください」と話していた。
第七回ポタフェスの会場は、東京・秋葉原の住友不動産秋葉原ビル(ベルサール秋葉原)。今回は地下1階から3階までの4フロアを使用し、世界200ブランドが出展している。入場は無料だ。運営事務局では、12月19日(土)と20日(日)の2日間で、5万人の来場を見込んでいる。
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