では、DUAL I.S. vs. ボディー内手ブレ補正の対決だ、ってんで、DUAL I.S.に対応したパナソニックの「LUMIX G X VARIO 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.」と、手ブレ補正を内蔵しないオリンパスの「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」で撮り比べてみた。
明るくはない室内でISO感度を固定し、100mm相当でシャッタースピードは1/15秒前後という条件で手持ち撮影である。撮影者(つまりわたしだが)は床に座った状態でEVFを使って構えている。肘をどこかにつくなどの技はナシ。手ブレ補正なしではどうあがいてもブレる条件だ。で、うちの猫を撮ってみた。
結論。
確かにDUAL I.S.の方が手ブレ補正効果が高く、1/10秒〜1/15秒でも半分以上がブレずに撮れた。すばらしい。対してボディー内手ブレ補正のみ(つまりオリンパスのレンズ)でも2〜3割はヒットした。効果は絶大ということだ。
定評あるオリンパスのボディー内5軸手ブレ補正に追い付いたかといわれると、まだそこまではいってない。でも実用レベルなのは確かであり、GX7のボディー内手ブレ補正に比べれば格段に進化しているわけで、今までパナソニックのユーザーは手ブレ補正を持たないオリンパスのレンズは買いづらかったが、GX7MK2ならそんなこと気にしなくてもいいんじゃね、ってレベルだ。
手ブレ補正以外の性能にも触れておく。
ISO感度はISO200から25600。拡張ISO感度でISO100も選べるようになった。AFは昨今主流の像面位相差AFではないが、パナソニック独自の空間認識AFの効果でかなり快適だ。これは速い。
またタッチパネルを使ったタッチパッドAFはすこぶる便利で、ファインダーをのぞいたままタッチパネル上で指を動かすだけでAFポイントを動かせる。ピンポイントAFにすれば、AF測距点を拡大してフォーカスを確認しながらピンポイントで合わせられる。AFモードの多彩さはLUMIXの良さの1つで、被写体にあったAFをうまく選べば気持ちよく撮影できる。ともあれコントラストAFか位相差AFか、なんてこと気にしなくていいレベルで快適なのは確かだ。
さらにHDR、超解像、各種ブラケット、回折補正、各種デジタルフィルター、多彩なシーンモードなどパナソニックならではの機能も満載している。
シャッタースピードはメカシャッターで最高1/4000秒。さらに電子シャッターに切り替えると最高1/16000秒まで上げられる。メカシャッターも従来より衝撃が小さくなり手ブレしづらく音も静かになったし、電子シャッターにすれば無音で撮れるし、スローシャッター時も手ブレしにくくなる。
連写もフォーカス固定なら電子シャッターで約40コマ/秒。ただ電子シャッターだとローリングシャッター歪みが出る。しっかり撮るならメカシャッターで約8コマ/秒(AFCだと約6コマ/秒)となる。
さらに決定的瞬間を捉えるならパナソニック得意の4Kフォト。電子シャッターにはなるけれども、4K動画を撮り、そこから気に入ったカットを写真として取り出せる。それの応用編でフォーカスセレクト機能を使えばフォーカス位置を変えながら撮影した4K動画から任意のカットを選べる。
4Kフォト時はシャッタースピードが速めにセットされるのが特徴だ。そうすると猫がペロっと舌で鼻を舐めた瞬間もこの通り。
ボタン1つで4Kフォトやフォーカスセレクトを選べるので気軽に使えるようになった。動画はもちろん4K動画対応。
まあそんな感じで、デザインはシンプルだけど、実にイマドキの機能が過不足な詰まっていて、4K動画まで対応していてバランスが取れた使いやすいカメラに仕上がっているのだ。
ボディーが四角くて凹凸が少ない分、バッグへの収まりもいいし、USB充電に対応したので電源の世話も簡単になったし、GX8よりコンパクトで軽くなったし、ボディー内手ブレ補正のレベルも上がってよりいろんなレンズを楽しめるようになった。
GX8は防塵防滴でもうちょっと苛酷な場所での撮影もするハイエンドユーザー向け。GX7MK2は気軽に撮影を楽しむ最強の中庸モデルである。
要望があるとすれば、LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.のレンズキットも欲しいというくらいか。
(モデル:神田樹果/オスカープロモーション)
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