パナソニックが展開するミラーレス一眼の新たな中核モデル「LUMIX GX7 Mark II」(DMC-GX7MK2。以下、GX7MK2)がなかなかいい。大きさと機能と性能のバランスがよく取れていて、悪くいうと地味だけれども、実に実用性が高くてよくできたカメラなのだ。
で、ちょいと余談から入る。
このカメラ、日本ではGX7MK2だけど、米国では「GX85」なのだ。名前から受ける印象が全然違う。GX7MK2だと「GX7の正統な後継機で、GX8はGX7の上位モデルだったんだな」と感じる。一方GX85だと「GX8がGX7の後継機で、その廉価版がGX85なのだな」という印象を受ける。
そのせいか、ボディーのどこにも「GX7 Mark II」と刻印されてない。
じゃあどっちがよかったか。「Mark IIばやり」にのっかった感もありはするけれども、個人的にはGX7MK2にしてよかったと思う。
GX7MK2で注目すべき大きなポイントは2つある。
1つはボディー内に5軸手ブレ補正を搭載したこと。シリーズ初のボディー内手ブレ補正を搭載したGX7は2軸だった。上位モデルのGX8は4軸だった。GX7MK2はそれに左右の回転ブレ補正を加えた5軸になったのである。
もう1つはGX8よりコンパクトになり、機動力が増したボディーだ。もちろんLUMIXならではの既存機能はすべて盛り込まれているわけで、それに加えて、EVFを内蔵してボディー内5軸手ブレ補正を搭載したモデルなのである。
最初にボディーを見ておこう。
上位機であり、手にしたとたんずんぐり感がにじみ出て「なんか大きくなっちゃったな」と感じたLUMIX GX8であるが、ほんとにデカかったのか。GX7MK2と同じ縮尺で比べてみると、一目瞭然なのであった。
ちなみにGX7のサイズはGX7MK2とほとんど同じだ。
この違いは大きい。マイクロフォーサーズの良さはボディーとレンズをコンパクトにおさめられることであり、十分な性能と使い勝手を維持できている限りは携帯性が高い方がいいのだ。
コンパクトになった分、シャッターボタンの位置がボディー上面になり、露出補正専用ダイヤルがなくなり、EVFがチルトしなくなった。でも全体の使い勝手は悪くない。
電子ダイヤルはシャッター周りと背面にあり、背面のダイヤルを露出補正に割り当てれば感覚的に露出補正を行える。
使いやすいようボタンやダイヤルをセットすれば、あとは構えて撮るだけだ。
GX7MK2のセンサーはマイクロフォーサーズサイズで1600万画素。ローパスフィルターレス。GX8で2000万画素センサーを採用したのでそれに比べると少し少ないが、マイクロフォーサーズだと欲張らずに1600万画素くらいが使いやすいかと思う。
ローパスフィルターがなくなり解像感はちょっと増した。ローパスフィルターはモアレを抑制するために付けるものだが、モアレは画素ピッチが小さくなるほど出づらくなるもので、マイクロフォーサーズで1600万画素あればまず気にしなくてよいレベルだろう。
注目はボディー内手ブレ補正である。もともとパナソニックは、レンズ内手ブレ補正を採用しており、レンズ内手ブレ補正とボディー内手ブレ補正を合わせた「DUAL I.S.」でより補正効果が高まる仕様となっている。
ただし、旧来の全レンズがDUAL I.S.対応というわけじゃないので注意。今回いろいろなレンズを使ってみたわけだが、例えばパナソニックの「LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm / F4.0-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」はレンズ内手ブレ補正を持っているが、Dual I.S.には未対応だ。
(モデル:神田樹果/オスカープロモーション)
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