日本メーカーの携帯が韓国で販売、逆はあるのか?

» 2004年09月10日 20時56分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 韓国の携帯市場に“どこかで見たような”端末がお目見えしている。カシオ計算機の「A5401CA II」は、「HS6500/HS6550」に名前を変えてLG Telecom向け端末として韓国市場に登場。外見は一緒だが、MP3再生機能が装備されるなど、中身は韓国ならではの仕様だ。日本初の200万画素端末として登場した「A5403CA」が「HS7000」という名前でLG Telecomのラインアップに加わっている。

 「A5401CA II」をベースにした韓国の「HS6500 / HS6550」。韓国ではMP3機能搭載バージョンもある

 2003年7月にカシオとLG Telecomが、端末提供に関して提携を行ったことから、販売が実現(2003年7月の記事参照)。最初に登場したのは「A5302CA」のボディデザインをベースにした端末。カシオはこの端末で、海外向け端末開発の第一歩を踏み出した。

 「LG Telecomとの共同開発による製品。設計や開発、生産は韓国で行っている」(カシオ計算機広報)。

 東芝製の「A5304T」もMP3再生機能付き端末「my5000 / my5050」として韓国で登場。A5304Tは、日本では初のダウンロード可能なBREW対応端末として市場に登場した

 韓国といえばSamsungやLGなど、世界的に有名な端末開発メーカーを擁することで知られる。そんな韓国製端末が日本向けにリリースされたら、ユーザーの選択肢が広がり、選ぶ楽しみも増えそうだ。

 しかしそこに立ちはだかるのが「日本ならではのビジネスモデル」。日本では各キャリアがサービスや仕様の細かい決め込みを行っており、メーカーがその仕様に沿った形で端末開発を行う。韓国のある携帯電話関係者は、「それほど大きくない市場に向けて、その国でしか使えない仕様に沿った端末を作るのでは採算が合わない」と話す。

 もっとも、秋から世界共通仕様になるボーダフォン向け端末では、韓国メーカー参入の可能性もあり得る。既に欧州のVodafone Live!対応端末をSamsungが提供している実績があるからだ。

 新機能の搭載に意欲的で(9月7日の記事参照)、デザイン的にも日本のユーザーの好みに合いそうなものが多い韓国端末(9月9日の記事参照)。日本市場への参入に期待するのは筆者だけではないだろう。

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