ソフトバンクは2026年8月中旬以降、日本においてHAPSの試験サービス(プレ商用サービス)を提供するという。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2026年7月25日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
高知県や近畿地方、九州地方、東北地方で1週間から10日間ほど運用する計画だ。
面白いのが、LTA型、いわゆる飛行船は日本で飛ばすのではなく、アメリカにあるハンガーで離陸し、太平洋上空を通って、2週間ほどで日本上空にやってくるということだ。日本には設備がないため、アメリカから飛んでくるし、台風が来れば、気圧の影響を受ける可能性があるため、どこかに退避するという。
今回の試験サービスでは飛行性能、通信性能、干渉影響の確認を行うとしている。
2026年は災害を想定した限定的な通信環境を提供しつつ、2027年以降には災害通信だけでなく、定常通信の提供も視野に入れているという。
ただ、日本で大災害が発生した際、2週間かけてアメリカからのんびり飛行してくるようでは、なかなか使い物にならないだろう。
やはり、日本でもハンガーを確保する必要がありそうだ。
ただ、ソフトバンクでも、このタイミングで用地の確保をするのは時期尚早と見ているのかも知れない。
おそらく、今回の試験サービスの結果をみて、新たに設備投資をすべきか、事業として成立するかを判断することになりそうだ。
ただ、ソフトバンクでは自治体などの行政機関や企業が関心を示しているとしているが、HAPSを常時、飛ばしっぱなしの状態で、空からの通信にどれだけ需要があるか、見えないところもあるだろう。
正直、Starlinkという選択肢がある以上、Starlinkよりもコストが安く、使い勝手がいいものでなくてはならない。
ソフトバンクの資料ではスマホとの直接通信である「Starlink Direct」と比較して、HAPSは「高品質・大容量」「安定した連続通信が可能」としているが、スマホとの直接通信ではない、専用アンテナを使う「Starlink」も「高品質・大容量」「安定した連続通信が可能」だ。
ソフトバンクがHAPSに取り組み始めたのが2017年。当時はStarlinkなんてものはなかった。ソフトバンクがHAPSの開発に苦労しているうちに、Starlinkは何千機も飛ばしてしまった。
日本が手がける非地上系ネットワークの必要性は理解できるが、日本だけで、衛星通信を事業として継続させていくにはなかなかハードルが高い。
ましてやNTTグループも2026年中にHAPSを事業化させるとしている。
どちらが先に日本でHAPSを正式にローンチするのか。本当に日本で2つもHAPSが必要なのか。いずれ、検討する時が来るだろう。
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