米カリフォルニア州クパチーノのアップル本社、Apple Parkで行われたiPhoneの発表会に行ってきた。最初にiPhoneの発表会に招かれたのは、「iPhone 7」や初代「AirPods」が発表された2016年だから、途中パンデミックなどで開催されない年があったとはいえ、足かけ10年にわたり取材していることになる。
中でも2026年は例年通りの進化ではなく、ジョン・ターナスCEOの就任とともに、折りたたみスマホ「iPhone Duo」が発表され、非常にニュースが多いイベントになった。
会場でiPhone Duoにも触れてきたので、その魅力をお伝えしよう。ちなみに、円安の影響もあって、製品価格は36万4800円〜と少々お高い。
ご存じの通り、スティーブ・ジョブズの時代からの慣習もあり、アップルは非常に守秘義務に厳しい会社だ。しかし、15年に渡るティム・クックCEOの時代を経て、新しく始まるジョン・ターナスCEOの時代は、また違ったものになっていきそうだ。
2025年ぐらいから、製品の耐久性のテストを行うデュラビリティラボや、パッケージのデザインスタジオ、iPhoneをリサイクルするために分解するテキサス州オースチンの工場など、いろいろな場所の取材が許可されることがあり、VPの話を聞く機会も増えている。
さらに今回は、到着したその日にApple Parkの周りを走るランニングイベントが開催されたり、発表会当日の夜には「After Dark」というDJイベントが開催されたりと、本社内の立ち入りが取材時でも著しく制限されてきた以前とは、大きく様子が変わってきている。
厳しすぎる情報統制がなくなってきたせいか、今回の折りたたみiPhoneについては発表前からおおよその寸法などの情報が漏えいしていたが、それでもやはり実物を手にすると、そのクオリティーや製品としての熟成の深さには驚かされた。さすがAppleというべきだろう。
まず筆者が注目したのは、そのディスプレイサイズだ。およそ「Galaxy Z Fold8」に近いと言われていたが、正確には違う。
iPhoneは閉じても、閉じた状態で横にしても、開いてもほぼ同じ比率を保つようにできている。後述するが、この点にAppleの強いこだわりがあるように感じる。
それに比べるとGalaxy Z Fold8は、外側のディスプレイは少し縦長(1:1.580)で、内側のディスプレイはより正方形に近い縦横比(1.325:1≒4:3)となっている。Samsungの意図を読み解くと、外側のディスプレイは縦長で、縦スクロールのコンテンツを見やすくしたとも考えられる。その結果として内側はブラウン管時代のテレビに近い比率の表示領域になったというわけだ。
それに対して、Appleは「閉じても開いても同じ比率」にこだわったようだ。外側のディスプレイは1:1.455、内側は1.422:1となっている。つまり、A判やB判の紙で使われる白銀比1:1.414に極めて近い。これは、半分に折っても、また半分に折っても縦横比が変わらないという数学的に不思議な比率なのだ。
この比率にはもう1つユニークな点がある。
この数値を「だいたい2:3(1:1.500)」と捉えれば、縦に少し長く持つ外側のディスプレイは初代iPhoneと同じ比率。横に少し長く開いた状態の内側のディスプレイは初代Macintoshと同じ比率ということになる。初代iPhone、初代MacintoshというApple創業以来のレガシーである製品と、ほぼ同じサイズのディスプレイを持っているということに、映像や小説、コミックスなどの「コンテンツの見やすさ」に対するこだわりが感じられる。
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